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最終更新日:2022/09/06 (公開日:2019/03/15)

地震保険を一から解説!保険対象に保険金、火災保険との違いは?

防災博士
やあ、諸君。
防災博士だ。
諸君は地震保険に加入しているかな?

日本では約30%の人が
地震保険に加入している。

加入していない人も
引っ越しや新居購入のタイミングで
加入を考えたことはあるのではないだろうか。

今回は地震保険についてわかりやすく解説しよう。

自分は入るべきかどうなのか
考えながら読んで欲しい。

 

地震保険とは

地震保険の対象

地震保険で補償の対象になるものは二つあります。

一つは住居として使用されている建物です。

倉庫や車庫が対象になるかどうかは
建設時の状況によるので
確認してください。

店舗や事務所として使用している建物も対象にはなりませんが、
併用住宅、つまり住居と店舗が一体となっている建物は
補償の対象となります。

 

もう一つは家財(生活用動産)です。

家財とは住居内にある生活に必要な家具家電、日用品などです。

家財は5種類に分類されています。

(1)食器陶器類
食器や調理器具がこれに当たります。

(2)電気器具類
テレビ、冷蔵庫等の家電製品です。

(3)家具類
机、タンス、棚等です。

(4)身回り品
書籍やカバン、またカメラやレジャー品もこれに当たります。

(5)衣類
衣類や寝具類です。

家財で注意してほしいのが
一点が30万円を超える品、
例えば骨董品、宝石類、車は対象になりません

 

防災博士
建物自体が大丈夫だと思ってる人も
家財のことは考えているかな?

東日本大震災の時、
支払われた保険料は

建物は全体の2割だったのに対して
家財は5割にも上ったんだ。

生活の再建に必要なお金は
建物だけではなく、
家財にもかかるということを
忘れないでおこう。

 

火災保険との違い

地震保険は火災保険とセットで加入するものです。

火災保険を既に契約されている方が
地震保険を追加することはできますが、

地震保険のみを契約することはできません

火災保険で誤解されがちなのが
地震が原因の火災です。

地震による火災は地震保険の適用であって
火災保険では補償されません

 

また保険金額も異なります。

地震保険の保険金額は
火災保険の金額の30%から50%に決められています。

建物は5000万円家財は1000万円が上限です。

火災保険一括見積もり依頼サイトはこちら

 

地震保険っていくらかかるの?

防災博士
では具体的な金額を見ていこう。

地震保険は他の保険に比べて値段設定がわかりやすい。

また、地震保険は高いと思われがちだが、
割引制度もあって意外と高くない。

自分の家がどのくらいの料金になるのか
想像してほしい。

基本の保険料金

地震保険が他の保険と違う点は
どこの保険会社でも保険料金が同じだという点です。

地震保険は保険会社が収益目的で行っている保険ではなく、

被災者の救済を目的として
政府と民間会社が共同で運営する保険であるためです。

では保険料はどのように決まるのでしょうか。

保険料は建物の構造と所在地により決まります。

東京(保険金額1000万円、保険期間1年)を例に挙げてみましょう。

東京にある鉄骨・コンクリート構造の建物であれば25,000円ですが、
同じ東京でも木造の建物の場合は38,900円です。

これは木造よりも鉄骨構造の方が耐震性が高いため
鉄骨構造の方が保険料が低く設定
されています。

 

また、所在地が異なると金額も異なります。

大阪にある鉄骨・コンクリート構造の建物は12,600円、
福岡にある鉄骨・コンクリート構造の建物は7,100円です。

南海トラフ地震など
巨大地震が予想されている太平洋沿岸は
比較的保険料が高く設定
されています。

このように保険料は、建物の構造と所在地という2つの要因により決定します。

 

地震保険は政府と民間企業が提携した保険で
法律により料金が決められています

最近だと2019年1月に地震保険の法律が改正され、料金が変更されました。
改正された料金を知りたい方はこちらをどうぞ。

 

長期契約の保険料

長期契約(2年〜5年)の場合、
長期係数をかけて合計額が出されます。

期間 係数
2年 1.90
3年 2.80
4年 3.70
5年 4.60

例えば
東京の鉄骨構造の建物で
5年契約する場合

25,000円×4.60=115,000円
となります。

 

割引制度

地震保険には4つの割引制度があります。

4つの項目のうち、
物件が複数の項目に該当していても
割引を重複して適用することはできないので注意してください。

(1)建築年割引

これは契約する物件が昭和56年6月1日以降に新築された建物であれば
10%割引になる制度です。

(2)耐震等級割引

これは契約する物件が
定められた基準の耐震等級であれば割引が適用される制度です。

耐震がしっかりしているほど割引率は高くなり、
最大で50%割引になります。

(3)免震建築物割引

これは免震建築物の基準に当たる建物の場合
50%割引になるというものです。

どのような建物が免震建築物なのでしょうか。

例えば免震装置を設置し、安全性の高い建物がそれに当たります。

(4)耐震診断割引

これは耐震診断、または耐震改修の結果
耐震基準を満たしていれば10%割引になる制度です。

 

地震保険料控除

政府が国民に地震保険の加入を促すため

地震保険料分を所得税と住民税から控除できる制度があります。

ただし、火災保険は保険料控除の対象とはならないので注意してください。

金額は以下の通りです。

税の種類 控除額
所得税 地震保険料の全額
(最大50,000円)
住民税 地震保険料の50%
(最大25,000円)

 

地震保険でいくら貰えるの?

防災博士
保険料がわかったところで
災害が起こった時、
保険金はどのくらい下りるのだろうか。

保険金が下りる場合と
保険金の金額を説明していこう。

保険はいつおりるのか

地震保険の補償が適用されるのは

地震噴火、それらに伴う津波による被害が発生した場合です。

地震が原因で起こった火災
地震保険で補償されます。

地震保険は他の保険に比べて
補償が下りるのに少し時間がかかりますが、
これは被害状況を確認するための調査が必要なためです。

時間がかかると言っても
各損害保険会社は早期支払いに努めており、
大震災の際は特別措置が取られることもあります。

東日本大震災の時は
3ヶ月経たないうちに約8割の支払いを終えており

大阪北部地震の時は
1ヶ月程度で約8割の支払いを終えた会社もあったそうです。

 

具体的にいくらおりるのか

補償金額は被害程度によって異なります。

被害の程度 支給額
全損 保険金額の100%
大半損 保険金額の60%
小半損 保険金額の30%
一部損 保険金額の5%

では、それぞれの被害程度の基準はどのように設定されているのでしょうか。

 

建物の被害基準

被害の程度 基準
全損 ・主要構造の損害額が時価総額の50%以上
・焼失、流出した床面積が延床面積の70%以上
大半損 ・主要構造の損害額が時価総額の40%以上50%未満
・焼失、流出した床面積が延床面積の50%以上70%未満
小半損 ・主要構造の損害額が時価総額の20%以上40%未満
・焼失、流出した床面積が延床面積の20%以上50%未満
一部損 ・主要構造の損害額が時価総額の3%以上20%未満
・建物が浸水を受け建物の損害が全損〜小半損に至らない

*主要構造:土台、柱、壁、屋根等

 

家財の被害基準

被害の程度 基準
全損 損害額が保険対象である家財全体の時価総額の80%以上
大半損 損害額が保険対象である家財全体の時価総額の60%以上80%未満
小半損 損害額が保険対象である家財全体の時価総額の30%以上60%未満
一部損 損害額が保険対象である家財全体の時価総額の10%以上30%未満

 

まとめ

防災博士
地震保険がどういうものかわかってくれたかな?

地震保険は火災保険とセットで加入する保険で
住居と家財が対象だ。

地震に強い建物や地域だと
値段設定が低く割引制度もある。

・家を購入し、多額のローンが残っている人
・併用住宅で被災すると職も失う人
・預貯金が少ない人

は地震保険に加入することを積極的に考えて欲しい。

 

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