災害時に用いられるトリアージって?判断基準と問題点とは

防災博士
やあ、諸君。防災博士だ。

諸君は『トリアージ』という言葉を聞いたことがあるかな?
救急医療の現場で使われる手法なのだが、これは災害にも関係してくるんだ。

今回はトリアージと、トリアージの問題点について諸君と考えていきたい。

 

そもそもトリアージって?

トリアージとは多数の怪我人・病人がいる場合
緊急性と重症度の観点から
治療の優先度を判断する手法のことです。

さらにわかりやすく説明すると
災害時、一度に多くの怪我人が出てしまった場合、
全員を一度に搬送・治療することはできません。

ですので、怪我人の症状から搬送・治療する優先度を決め、
効率良く治療を行う
、というのがトリアージの目的です。
トリアージはフランス語のtrier(選び出す)という単語が語源で
フランスの医師が負傷兵を容体別に治療したのが
トリアージの始まりだと言われています。

 

トリアージの4つのカテゴリー

防災博士
トリアージには緊急性ごとに4つのカテゴリーが分かれていて
色の違うタグを患者に付けて判断するんだ。

その判断基準と判断の流れはどのようなものか
詳しく見ていこう。

カテゴリーと判断基準

緊急性と重症度に応じて4つの区分に当てはめ、
その区分に応じたトリアージタグを患者に付けます。

順位 分類 識別色 傷病者の状態
第1順位 最優先治療群 (重症群) 赤色 直ちに処置を行えば生命を救える者
第2順位 非緊急治療群 (中等症群) 黄色 多少治療が遅れても生命に危険はない者
第3順位 軽処置群 (重症群) 緑色 軽症な傷病で、専門医の治療をあまり必要としない者
第4順位 不処置群 (死亡群) 黒色 既に死亡している者 又は心肺蘇生を施しても蘇生の可能性のない者

 

具体的な流れ

日本で一般的に使われる手法はSTART法(Simple Triage And Rapid Treatment) と呼ばれるものです。

この手法には5つのステップがあります。

①歩行ができるかを確認する
②自発呼吸があるかを確認する
③呼吸回数を確認する
④血液の循環状態を確認する
⑤簡単な指示に応じるかを確認する

START法で一人あたりにかかる時間はだいたい30秒程度です。

この5つのステップで傷病者を4つのカテゴリーに判別します。

出典:東京都福祉保健局

 

トリアージの問題点

防災博士
トリアージについてはわかっていただけたかな?

トリアージは治療を効率的に行うために有効な手段だが
いくつか問題点もあるんだ。

その問題について一緒に考えてみよう。

①判断の難しさ

まず言われるのが、判断の難しさです。

例えば上記のSTART法通りに怪我人の呼吸を確認し
呼吸がなかった場合、

呼吸が再開しないから黒色タグ、とすぐに判断するのは難しいです。

心肺蘇生をすれば助かる可能性もありますし、
だからと言って他の人の治療機会を奪うこともできません。

4つの区分に患者を判別した後も
カテゴリーが4つしかないために、
同じタグの患者でも重症度が大きく異なる場合もあります。

多くの人を救いたいあまり過剰に優先度を上げると
トリアージの意味がなくなりますし、
誤って治療の優先度を下げてしますと
助けられる命を助けられないかもしれません。

瞬時に素早く、正確に判断するのが非常に難しいのです。

 

②不十分な法整備

①で説明した通り、トリアージは判断が難しいため
ミスを完全に防ぐことは不可能です。

ではもしミスが起きた場合誰に責任があるのか、
これも問題の一つです。

現在、トリアージに関する明確な法の保護はなく
実施者はミスをしたら後に過失責任を取らなければならない可能性があります

アメリカやカナダでは
「災害などにあった人を助けるために善意から行った行為による失敗は罪を問われない」
という考えがありますが、
日本の法にはそのような制度はありません。

 

③倫理的問題

トリアージは全患者を救うことが目的というより、
より多くの患者を救うことが目的です。

つまり、多少の犠牲を払ってもなるべく多くの患者を救うべきという
最大多数の最大幸福を達成する」ためにあります。

この考え方には疑問視する人もいて

人の命に順位を付けて良いのか、
重症者を見捨てて良いのか、
誰を助けて誰を見捨てるかを決める権利があるのか、

という意見があるのも事実です。

 

まとめ

防災博士
トリアージについては理解できたかな?

より多くの人を助けるために有効な手段だが
問題点もいくつかあるのが現状だ。

特に法整備については実施者を守るために
大いに改善する余地があると言えるね。

より多くの人を助けるにはどうしたら良いか
諸君にも日頃から考えて欲しい。

 

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