高知県で気を付けるべき災害とは 高知県における災害の特徴と対策方法

地震、津波、台風、土砂災害…。「災害大国」ともいわれる日本列島では、いつどこで災害に遭遇してもおかしくありません。
災害への備えは、地域ごとの地理的特徴社会特性を知り、災害の種類ごとにどんな影響がおきるのかを正確に把握するところからスタートします。
ここでは、高知県における地震・津波災害、風水害、土砂災害の特徴を整理し、それぞれの災害についての対策のポイントを紹介します。

高知県で想定される地震・津波災害

地震災害には、陸域の浅いところで活断層が活動することにより発生する直下型の地震と、海域のプレートが跳ね上がって発生する海溝型の地震とがあります。

現在高知県では活断層を震源とする直下型地震は予測されていませんが、主に南海トラフ沿いや、日向灘を震源とする海溝型地震、その他発生頻度の高い一定程度の地震(例:南海トラフ近辺の地震)によって大きな被害が発生することが予測されています。この二つの災害を軸に、被害を見ていきましょう。

高知県における直下型地震

 

高知県は1812年に土佐の地震(M不明)が観測されており、県内で家屋などへの被害がありました。また、1789年の徳島県南部の地震(M 7.0)などのように周辺地域で発生した地震によっても被害を受けたことがあります。

高知県に存在する活断層としては、北東部の綱附森断層が挙げられます。

現時点では活断層による直下型地震はいつ発生するかは不明ですがもし仮に発生した場合、地震の規模としてM6.7程度の大規模な揺れが想定されています。

(出典:綱府森断層 簡便法震度分布)

高知県における海溝型地震

高知県内に被害を及ぼす可能性のある海溝型地震には、南海トラフの地震日向灘のプレート間地震及び日向灘のひとまわり小さいプレート間地震、また南海トラフ近辺で発生する頻度が高い一般的な地震があります。

日向灘のプレート間地震及び日向灘のひとまわり小さいプレート間地震が発生した場合、国の地震調査研究推進本部(平成17年9月)が公表した強震動評価によると、宿毛市、土佐清水市、大月町で震度6弱、四万十市、三原村で震度5強に及ぶと予想されています。

今回は、南海トラフ地震、南海トラフ近辺で発生する頻度が高い一般的な地震が起こった場合の被害について見ていきましょう。

津波の高さ、到達時間

海溝型の地震でもっとも顕著となるのは津波による被害です。最大クラスの南海トラフ地震が発生した場合、地震発生後早いところで3分、遅くとも30分以内には、一部の湾奥を 除く全ての海岸線に津波が押し寄せ、その高さは10~20m、ところによっては30mを超え、非常に高くなることが予測されます。

発生頻度の高い一定程度の地震が発生した場合、地震発生後早いところで3分、遅くとも30分以内には、一部の湾奥を除く全ての海岸線に津波が押し寄せ、その高さは6~8m、ところによっては10mを超えることが予測されます。

津波はものすごい量の海水が壁のようになり、けた違いの圧力であらゆるものを一気に飲み込んで、まきこまれたガレキと一緒になってすべてを押し流します。2mの津波で木造家屋は完全に破壊されてしまうといわれています。

津波による人的被害、建物被害

南海トラフ地震が発生した場合、想定される人的被害として、沿岸部を中心に約45,960人の死者が発生し、建物被害では、約174,070棟が全壊約142,930棟が半壊すると予測されています。

また、発生頻度の高い一定程度の地震が発生した場合、想定される人的被害として、約11,160人の死者が発生し、建物被害では、約37,650棟が全壊約87,340棟が半壊すると予測されています。

震度分布(揺れやすさ)

<南海トラフ地震の場合の揺れやすさ>

高知県でもっとも大きな影響をあたえる南海トラフ地震の揺れやすさを表す震度分布図は以下の通りです。

(南海トラフ地震 震度分布)

沿岸沿いの一部の地域で震度7、県内の大部分が震度6弱以上の強い揺れに見舞われると想定されています。

<発生頻度の高い一定程度の地震の場合の揺れやすさ>

発生頻度の高い一定程度の地震の揺れやすさを表す震度分布図は以下の通りです。

(発生頻度の高い一定程度の地震及び津波 震度分布)

沿岸部の多くの地域で震度6弱以上、内陸部でも5強の強い揺れが予想されています。

インフラ被害

大きな揺れにより、地中に埋められた管渠が損傷し、上下水道、電力、通信、都市ガスなどのインフラ施設にも大きな被害が発生します。

また、高速道路などの道路被害、鉄道被害、港などの公共施設の被害も想定され、移動手段にも支障が出ます。

市民生活への影響がもっとも大きくなるのは南海トラフ地震で、以下のような大規模なライフライン停止が予測されています。

  • 上水道:断水人口 57.5万人 (断水率 82%)
  • 下水道:支障人口 24.4万人 (支障率 93%)
  •  電力:停電軒数 52.1万軒 (停電率 99%)

 

高知県における風水害

高知県で気を付けなければならない災害は、地震だけではありません。

過去には、台風や大雨による風水害も、大規模な被害が発生しています。

(画像出典:高知県警察ホームページ こうちのまもり)

台風被害

台風は、7月から9月を中心に接近したり上陸するものが多く、暴風や浸水、高潮や高波などで大きな被害が発生する場合があります。過去には次のような大型台風による被害がありました。

  • 昭和50年台風第5号第6号 (死者、行方不明者77人、家屋全半壊 2,160 棟、家屋浸水 32,298 棟)
  • 昭和51年台風17号 (死傷者6人、家屋全半壊89棟、家屋浸水 46,429棟 )

 

集中豪雨、大雨被害

高知県は年間降水量が他地域と比較しても多く、頻繁に豪雨による洪水が発生しています。近年では以下のような被害が挙げられます。

  • 平成10年9月豪雨災害 (死者8名、家屋全半壊54棟、家屋浸水 17,253 棟)
  • 平成30年7月豪雨災害 (死者3名、床上浸水120棟、床下浸水370棟)

 

高知県における土砂災害

毎年発生する自然災害の中で、死者や行方不明者が発生する割合がもっとも高いのは、実は土砂災害です。

阪神淡路大震災と東日本大震災の特異ケースを除けば、自然災害による死者・行方不明者のうち4割を土砂災害が占めています。

(画像出典:高知県警察ホームページ こうちのまもり)

土砂災害は、がけ崩れ、土石流、地滑りの順に発生しやすくなっています。

高知県でも、多くの土砂災害が発生し、甚大な被害が起きています。

  • 昭和47年 比島山崩れ(死者10名、半壊1棟)
  • 平成26年 台風12号・11号による地滑り災害 (地滑り20件、がけ崩れ131件)

高知県で行っている防災対策

高知県では「こうち防災情報」で最新情報を提供しています。高知県に住んでいる人は必ずブックマークするなどして、定期的に確認するようにしましょう。

市や町などで出ているハザードマップや避難場所も必ず確認して、自分の地域でもし災害が起きたらシミュレーションするようにしましょう。

高知県における防災対策のポイント

地震・津波への備え

地震・津波は突然発生し、破壊力が非常に大きいため、何をおいても命を守るための対策をたてておくようにしましょう。代表的なのは揺れを抑える対策です。自治体によって耐震診断などに助成金を出している場合もあるので、問い合わせてみて積極的に活用しましょう。

耐震補強:壁や屋根、天井、照明器具など
家具や家電製品の固定、棚の中身の飛び出し対策、ガラス飛散防止対策

また、大規模な地震の場合はどんなに備えていても必ず被害が発生すると覚悟して、長期間の被災生活を想定した備えをしておくことも重要です。

停電対策:バッテリーや蓄電器、簡易発電機などの準備
断水対策:飲水や生活用水の確保
下水対策:下水道損傷に備えた簡易トイレの確保
備蓄対策:食料、生活必需品の備蓄
避難対策:津波や大規模火災時の避難場所、避難方法の確認、非常持出品の整理

風水害への備え

風水害の場合は、気象庁からあらかじめ予報が出されるため、できるだけ早く正確な情報をつかんで、災害が発生する前に避難できるようにすることがもっとも重要なポイントとなります。

ふだんから気象関係のアプリやホームページにアクセスして、どんな情報がどこにあるか、どのくらいの状態になったら避難などの対応が必要かなど、気象情報を正しく読み取れるようになっておきましょう。

土砂災害への備え

土砂災害は前触れなく発生します。大雨で地盤が緩んでいるときに起きやすいですが、はっきりとした兆候がみつけにくいことも多いため、崩れることに気づいてからでは助かりません。

土砂災害の場合は、土地の危険性についてあらかじめ知っておくことがもっとも重要なポイントになります。

土砂災害の危険性については、自治体が発表している土砂災害危険度情報(土砂災害ハザードマップなど)が参考になります。ホームページで公開されていますので、あらかじめ確認しておきましょう。

また、大雨のときには、気象庁と都道府県から土砂災害警戒情報土砂災害に関する避難情報も発表されますので、該当する地域にいる場合はできるだけ早く避難してください。

気象庁 土砂災害警戒情報・大雨警報(土砂災害)の危険度分布についての解説ページ

まとめ

災害はいつどこで発生するかわかりませんが、むやみやたらと恐れて根拠のない都市伝説に引っかからないようにしましょう。 一人ひとりが災害に対する正しい知識を身につけ、「きちんと怖がる」ことが、災害と向き合う第一歩です。 「まさか自分が」とならないよう、良質な情報を集め、できることから備える行動を起こしましょう。

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