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最終更新日:2023/08/24 (公開日:2019/08/23)

BCPとは?簡単に解説!目的や策定のポイントを徹底解説!!

災害大国である日本は、個人はもちろん企業としても災害対策を行っているところもすでに多くなっています。

その一方、災害も含めて企業に対して脅威となるリスクも多様化し、今までの対策では太刀打ちできない事象も多くなりました。

災害を含めた事業を停止する可能性の高いリスクに対して立ち向かう施策に「BCP」があります。

ところが、企業として「BCPを策定したい」と思っても、そもそもBCPとは何かが分からない、防災などの今までの対策で十分ではないか、と思う人も多いでしょう。

ここでは、いまさら聞けないBCPとは何かの概要や、策定する目的など、企業として知っておきたいBCPに関することを解説します。

BCP策定を検討しつつも、まずはBCPについて知っておきたい人もぜひ参考にしてください。

始めに知っておきたいBCPとは?

始めに知っておきたいBCPとは?

企業において、事業を停止させるあらゆる事象に立ち向かう施策として、注目されているのが「BCP」です。
まずはBCPとは何かの概要についてを解説していきます。

1:「事業継続計画」を指す

BCPとは、「Business Continuity Plan」の略称です。
それぞれの頭文字を取って「BCP」と呼ばれ、日本語では事業継続計画を指す言葉になっています。

事業を停止につながる要因としては、地震、洪水、火山の噴火、等の自然災害、事故や火災、等の人災、その他に感染症の蔓延、テロ攻撃、サイバー攻撃、等あらゆることが考えられます

ミスや事故などの人的災害は、ある程度事前対策などで発生を予防できますが、自然災害やテロ攻撃はいつ受けるか分からないため、完全に防ぎきるのは難しいでしょう。

そこで、企業として事業を停止する可能性のある重大な事象や要因が発生した場合にも、事業を停止せずに継続するため、または停止せざるを得ない場合でも、できるだけ早く復旧ができるように、あらかじめ策定しておく計画がBCPです。

簡単に言えば、BCPとは不測の事態が発生した場合でも、企業としての事業を停止しないように、あらかじめ備えておく計画といえます。

2:BCPはいつから生まれた計画か

もともとBCPは、1970年代にアメリカやイギリスにおいて、事業を継続するためのひとつの手法として関心が高まってきたのが始まりです。

これに加えて、2001年に発生した世界同時多発テロを受けて、全世界の企業が事業継続の重要性について改めて考えるようになりました。

世界同時多発テロをきっかけにBCPが広がったなかは日本も含まれています。その後、
BCPという言葉を日本国内で少しずつ聞くようになったのも、2001年9月11日以降からと言えるでしょう。

3:日本でのBCPの始まりについて

前述の通り、BCPはもともとアメリカやイギリスのビジネスシーンで生まれ、2001年9月11日の世界同時多発テロ発生を受けて全世界でも考えられるようになった計画です。

とはいえ、アメリカやイギリスなどの欧米諸国などでは、「テロ攻撃」が事業を停止する可能性の高い、主な重大事項であるのに対して、日本では「テロ攻撃」と言われても2001年当時はあまり現実的ではないと受け取る企業が多かったのかもしれません。

そのため2001年時点では日本の企業間ではあまりBCPは浸透せず、現在も世界各国よりも日本企業間でのBCPの浸透率や策定率などは低くなっています。

その後、SARSや新型インフルエンザが流行した際にも取り上げられましたが、BCPが日本でも本格的に重要なものとして捉えられるようになったきっかけは、2011年3月11日に発生した東日本大震災です。

帝国データバンクの調査によると、東日本大震災が発生する前にあらかじめBCPを策定していた企業はわずか全体の7.8%、そのうち大企業が21.8%、中小企業は6.8%という結果があります。

さらに、東日本大震災発生後は、BCPの策定、または策定済みのBCPの改善や見直し、訓練や教育を行うべきと回答した企業は約3倍に増加しました。

参考:日本における事業継続計画 (BCP) 普及の現状と課題

4:重大リスクは複数あれど目的はひとつ

上記から、海外ではテロ攻撃が、日本では大規模地震がBCPの策定の重要性を考える引き金となっていますが、どちらも「事業を停止させない、または事業を停止させても即急な復旧を目指す」ことが目的になっています。

つまりBCPを策定するうえで、事業を停止させる事象の種類や内容、そしてその発生可能性は様々ですが、いずれも目的は事業を停止させないことの一点につきるのです。

BCPを策定する目的

BCPを策定する目的とは

BCPとは、重大な事項が発生した場合でも事業を停止しないこと、たとえ停止してもできるだけ早く復旧させることを目的としていることが分かりました。

  • 事業を停止させない
  • 停止した場合にはできるだけ早い復旧を目指す

実は、BCPの目的はこれ以外にも多岐にわたります。

  • 従業員や関係者の命や財産を守る
  • 企業としての存在を守る
  • 社会的な責任を果たす
  • 企業としての高い信用を得る

1:事業を停止させない

あらかじめBCPを策定しておくことで、企業の事業が停止する可能性のある重大な事象が起きても、事業を停止せずそのまま継続できます。

2:停止した場合にはできるだけ早い復旧を目指す

たとえ災害やテロ攻撃などで事業が停止しても、できるだけ早い復旧を目指すのもBCP策定の目的のひとつになっています。

3:従業員や関係者の命や財産を守る

BCPと似た事前の対策として、防災や減災があります。

防災や減災は、災害時に従業員や関係者の命や財産を守る、負傷者を最小限に留める、二次災害を出さないといった目的があるのが特徴です。

事業を停止させる要因の多くが災害であることを考えると、当然ながらBCPにおいても従業員や関係者の命や財産を守る目的も含まれます。また、事業を継続するうえで従業員や関係者は企業にとって重要な資産でもあります。

4:企業としての存在を守る

企業における事業とは、その企業の存在意義でもあり、社会的な意義を持っています。

事業をなくしてしまうことは、企業の存在を失うことと同義なのです。

例えば、やむを得ず事業を停止させた企業が、事業を再開しても、顧客が戻らず廃業を余儀なくされる、ということも珍しくありません。

重大な事象が起きても、BCPをあらかじめ策定しておくことで企業の命である事業を継続させ、企業そのものの存在を守る目的も果たせるでしょう。

5:社会的な責任を果たす

企業が事業を展開しているのは、従業員へ報酬を支払うだけでなく、日本の経済的な発展や社会参画の側面も持っています。

また、従業員や関係者を雇用する立場から言えば、従業員の生活を守ることも企業に託された責務と言えるでしょう。

BCPを策定しておくことで、不測の事態が起きても事業を継続して、従業員や関係者の失業も免れ生活を守ることができます。

6:企業としての高い信用を得る

BCPとは、企業にとって事業を停止させる可能性のある要因への対策能力のひとつでもあります。

BCPをすでに策定している企業とそうでない企業では、リスク対応に差が出ることに間違いありません。

仕入先は安定した納品を求めます。銀行は安全な借手として事業の安定を期待します。BCPが策定されることでリスク対策能力が優れているということは、企業の高い信用に繋がるのです。

BCPを策定する5つのポイント

BCPを策定するうえでおさえておく5つのポイント

BCPとは事業を継続させるための計画で、今後多くの企業に策定が求められます。
これからBCPの策定を検討する場合に、あらかじめおさえておくべき5つのポイントを紹介します。

  • 優先する事業(中核事業)
  • 緊急時の中核事業の復旧時間目標
  • 緊急時に提供できる事業のレベルの顧客との協議
  • 事業継続のための代替案
  • すべての従業員との事業存続に関してのすり合わせ

1:優先する事業

BCPを策定するうえで、まず何の事業を継続させるための計画かを決めておきましょう。
特に複数の事業を展開している場合は、最優先させる中核事業を決め、BCPを策定します。

2:緊急時の中核事業の復旧時間目標

緊急時に、最優先させる中核事業をどのくらいの時間で復旧されるかの目標時間をあらかじめ設定しておきます。

復旧時間の目標を設定したうえで、時系列に沿って実際のBCPを策定していくことになります。

3:緊急時に提供できる事業のレベルの顧客との協議

BCPを策定しても、通常の事業を100%の状態で運用していくのは非常に難しいです。

あらかじめ事業に関連する顧客と、「何パーセントほどの事業レベルを提供すべきか」を協議したうえで、目指すべき事業レベルを設定してBCPを策定しましょう。

4:事業継続のための代替案

緊急事態や重大な事象が発生した場合、事業を継続させるためにあらかじめいろいろな代替案を考えておくのも重要です。

例えば、製造業で工場などの製造拠点が被災したなどで使えなくなった場合、自社ではなく関係各社からの工場を借りて製造を続ける、原料の調達ができない場合にはあらかじめある程度の在庫を抱えておき、調達が再開されるまでは在庫で対応する、などの代替案があります。

5:すべての従業員との事業存続に関してのすり合わせ

BCPを策定し、緊急事態や重大事象発生時に実行するには従業員や関係者全体での取り組みが必須となります。

特に、防災の取り組みは防災担当者が行うことも多いが、BCPの場合は企業全体での実行が必須であるのを覚えておきましょう。

そのため、あらかじめ全従業員や関係者と事業継続についての話し合いやすり合わせを行い、積極的なコミュニケーションを取っておくことが重要といえます。

BCPとは何かを理解し企業としての備えに活かそう

BCPを策定しようと思っていても、BCPそのものを理解しないと企業に合った適切な策定にはつながりません。

まずはBCPとは何かを理解することが、BCP策定への近道になります。

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