最終更新日:2022/09/06 (公開日:2019/01/11)
災害時のデマに惑わされないために。流言デマの特徴パターン
目次
デマ情報がもたらす悪影響
「動物園からライオンが逃げた」「レスキュー隊の格好をした窃盗団がいる」「地震雲は地震の予兆」など…。
大きな災害が起きると、流言やデマが拡散されてしまうね。
じゃあこれらの情報が流されると、具体的にどんな影響があるのかみてみよう。
3つの悪影響
災害時にデマ情報が流れると、まず被災者の不安を拡大させることとなってしまいます。
また、救急活動にも支障をきたして、本来救助が必要な人に救助が行き届かない可能性が増します。
そして、災害時の限られた通信環境を圧迫し、本当に伝わるべき情報が伝わらなくなります。
出典:迷惑メール相談センター 災害に関連するデマ情報に気をつけましょう
このようにして、誤った情報が流れるだけでなく新たな問題を引き起こす可能性があります。
SNSによる流言の拡散能力
SNSが普及した現在では、流言デマが広がるのは一瞬です。
口コミとは桁違いのスピードでデマは拡散されてしまいます。
人は新しく入手した興味深い情報をすぐに発信したくなります。
ネット上では、利益目的や、愉快犯、悪ふざけで、デマ情報を流す人がいます。
そして、それらの情報が善意で広がってしまう場合もあります。
実際に、熊本地震の時に「ライオンが逃げた」ツイートした人は逮捕されました。
実はパターン化されたデマ情報
デマ、うわさなどは実は、パターン化されているんだ。
デマの発信自体をゼロにすることはとても難しい。
けれども、特徴を掴んで入れば拡散する前におしとどめることができる。
不安や善意からうっかり拡散に加担したり、騙されたりしないために特徴をまとめたぞ。
1. 話題性があるRT稼ぎの「ネタ」投稿
代表的なものは逮捕まで至った「動物園からライオンが逃げた」といった類のツイートです。
これらは正確に言うとデマというより「ネタ」のようなもので、犯人は愉快犯によるものが多い。
2. 災害の予言
一度大きな災害がおこると、人間はまた起こるんじゃないだろうかといいう不安から、普段は信じないような「明日〇〇時にまた地震が起こる」などの情報を信じてしまいます。
災害は、直後であろうがそうでなかろうがピンポイントの予言をすることは不可能です。
地震の周期から数年間に起こりうる確率を統計で出すことは可能ですが、〇〇年に大地震が起こる、などのピンポイントの予言は全て嘘です。
3. 地震雲
地震雲とは、地震を予言していると言われる雲の形です。
大きな地震の発生前にみたといううわさや、地震雲があるから明日地震がくるなどの情報が拡散されることがあります。
地震雲が地震の前触れだという説は、科学的に根拠はありません。
4. 犯罪に関する言説
「△△の格好をした窃盗団が略奪をしている」といったうわさが流れる時もあります。
実際に災害が起こった時に、それに便乗して犯罪が起こることはありえることです。
しかし、犯罪に関する全ての目撃情報が正しいとは限りません。
西日本豪雨災害後では、レスキュー格好をした窃盗団の情報が相次いだことで、現地で活動しているレスキュー隊の活動を妨げるものとなりました。
14時23分に坂町を管轄する海田警察署に電話で確認しました。「同様の問い合わせは何件か来ている。非常時なので戸締りに気をつけては欲しいが『大阪ナンバー、レスキュー服の窃盗団』というのは報告されていない。4年前の安佐南区の件もあったのでデマには気をつけている」とのことでした。
— ゆーすけ (@yoox5135) July 9, 2018
5. 物資支援・救助要請
【拡散希望】マスコミが報じていないけど〇〇で物資が不足している」「【救助要請】」といったツイートがよく広がる。
うわさやデマと一概に決めつけることはできないが、真偽がわからないものも多く拡散には注意が必要です。
救助要請を見たら以下の点に気をつけるようにしましょう。
【お願い】
混乱を避けるため #救助要請 のツイートは直ぐに拡散しないで下さい!
救助要請を見たら・発信された日時を確認
・119に連絡したか本人に聞く
・本人が119出来ない場合、見つけた人が代わりに、その自治体の消防へ直接連絡
・救助された人は要請したツイートを削除。救助済みを明確に
— ゆべっさん (@kimiyo_smile) July 7, 2018
流言デマを防ぐ方法
3つの確認ポイント
「怪しいな」と思うような情報は、拡散したいと思う気持ちをグッと抑えて、ボタンを押さないようにしましょう。
真偽の分からない情報が拡散すると、本当に必要な災害支援に関する情報を阻害する原因にもなりかねません。
なぜ正しい情報ですぐに訂正することができないのか
流言デマ自体が流れてしまった時に、信頼の置ける警察などから訂正のお知らせがくればいいのに…
と思うけど、なぜそれができないのかを考えたことはあるかな?
確実な「安全」を報道する難しさ
例えば「ライオンが逃げた」という情報が拡散されたときに、「ライオンはどこの動物園からも逃げていない」と事実確認することは非常に難しいです。
すべての動物園に連絡をとり、逃げていないかの確認をとり、情報を集約して発信しなければなりません。
また、災害直後というイレギュラーな状況では警察自体も動物園自体も混乱が起きていることもあり、情報の確認自体に時間がかかってしまいます。
それにより、発信できる情報は「確認がとれていない」「把握していない」「証拠はない」といったものになります。
まとめ
さて、デマの恐ろしさや特徴はわかったかな?
君自身がデマの拡散に加担しないように、しっかりと情報を見極める能力を持つことが大切だ。
君のワンクリックで惑わされる人たちがいることを忘れないでくれ。
発信者の意図がどうであれ、善意による拡散で多くの混乱を呼ぶことがあるんだ。
ここでは君がデマ情報に惑わされないために、デマ情報の特徴と対応策を紹介するぞ。