減災取り組み事例の紹介「自分ができること」から始めよう

災害大国である日本は、いつ起きるか分からない災害に対して、多くの防災の取り組みが行われてきました。

ところが近年の大規模災害では、今までの防災力では対応できない事例も多く、災害が発生した時点で被害を最大限に食い止める「減災」の取り組みが注目されるようになりました。

そこで今回は、宮城県仙台市の減災取り組み事例とともに、私たちが今日からできる減災取り組み方法をあわせてご紹介します。

防災はもちろん、減災は私たち市民の力が最重要となります。
防災とともに、災害対策の一環としてぜひ減災についても知っておきましょう。

宮城県仙台市の減災取り組み事例を紹介

東日本大震災で被災した経験を活かし、宮城県仙台市では「防災環境都市づくり」の取り組みを進めています。
この中で、以下の減災取り組み事例を取り上げ、紹介します。

  • 木造住宅やマンションの耐震化向上
  • 津波被害を最小限に抑えるための多重防御
  • エネルギーの地産地消
  • 自助・共助・公助で取り組むコミュニティ防災
  • 多様なステークホルダーが担う防災・減災
  • 東日本大震災の経験を情報発信
  • 復興支援と新しい課題と気づきの共有

参考:仙台市の取り組み|防災環境都市・仙台

仙台市の減災取り組み事例①:木造住宅やマンションの耐震化向上

平成7年1月17日に発生した「阪神・淡路大震災」では建築基準の古い木造建物の倒壊による大きな被害が出ました。

仙台市では、市有建築物の耐震化を平成28年度末までに99%完了を目指し、平成16年から28年までの約13年間で、市有建築物に加えて2,206戸の木造住宅と2棟の分譲マンションの耐震化工事を完了させています。

さらに、マンションの防災力を向上させるために、平成25年に「杜の都 防災力向上マンション認定制度」を創設、「分譲マンション防災マニュアル作成の手引き」を策定し、マンション管理組合による防災活動のルールづくりの参考となる取り組みを行いました。

仙台市の減災取り組み事例②:津波被害を最小限に抑えるための多重防御

東日本大震災で特に大きな被害を出した原因となったのが、津波です。

これを受けて仙台市では津波被害を受けた市東部の再生に加えて、海岸堤防や防風林などの複数施設を組み合わせることで津波を防ぐ多重防御、さらに津波が発生したときの避難道路や施設の拡充、住まいの内陸地への移転の3つを組み合わせた津波被害を最小限に抑える取り組みを行っています。

仙台市の減災取り組み事例③:エネルギーの地産地消

東日本大震災で課題となったのが「一点集中型の大規模エネルギーシステム」の脆弱性です。

これを受けて仙台市では、エネルギー資源の分散化に加えて災害に強いエネルギーシステムの創出、再生可能エネルギーの導入などエネルギーの地産地消を目指しています。

仙台市の減災取り組み事例④:自助・共助・公助で取り組むコミュニティ防災

東日本大震災でも、市民一人ひとりが自分の手で自分や家族の命を守る「自助」、地域での助け合いや支えあいによる「共助」が被害拡大や二次被害を防止するうえで大きな役割を果たしました。

仙台市では「自助」と「共助」に行政による支援である「公助」を加え、住民主体での事前の備えや地域の防災リーダーの育成、支援が必要な人を地域で守るなどの減災取り組みを行っています。

仙台市の減災取り組み事例⑤:多様なステークホルダーが担う防災・減災

「ステークホルダー」とは関係者を指します。
仙台市では、行政だけでなく企業、市民団体、研究機関、そして個人や地域コミュニティといった多様な範囲の中で、ステークホルダーによる主体的な防災、減災への取り組みを推進しています。

特に、第3回国連防災世界会議で採択された「仙台防災枠組」において、新しいステークホルダーとして女性と若者が参加し、防災と減災への取り組みにおけるリーダーシップをとる重要性を明記しています。

仙台市の減災取り組み事例⑥:東日本大震災の経験を情報発信

東日本大震災を経験していない世代および市民の今後の増加を見据えて、仙台市では東日本大震災からの経験と教訓を未来への防災と減災に活かすため、東日本大震災の記憶や記録、犠牲者への哀悼の意を残す取り組みを行っています。

仙台市立荒浜小学校などの震災遺構の保存に加えて、市と市民、地域団体が連携したメモリアル施設の運営、写真や映像などの震災アーカイブの整備、記録誌の発行、情報の発信を行っています。

仙台市の減災取り組み事例⑦:復興支援と新しい課題と気づきの共有

被災地への一日も早い復興を目指し、復興支援を行うと同時に新たに得た課題や発見を関係者と共有、今後の防災や減災に役立てるための取り組みを行っています。

宮城県仙台市の減災取り組みからわかること

減災は災害が発生するのを前提に、被害を最小限に減らすための取り組みを指します。
そして、災害で一番の被害を受けるのが市民である私たちです。
よって、行政や企業のみが行うのではなく、市民も一体になって減災への取り組みを行うのが重要であると言えます。

宮城県仙台市の事例を見ても、耐震化や多重防御といったインフラ面での減災取り組みは行政主体となっているものの、自助・共助・公助で取り組むコミュニティ防災や多様なステークホルダーが担う防災・減災など、実際の減災のための活動や取り組みは、「市民ありき」であるのが分かります。

市民としてやっておくべき減災取り組み

市民ありきの減災取り組みには、具体的に以下の5つがあります。

  • 避難訓練・防災訓練
  • ハザードマップ
  • 事前防災行動計画
  • ワークショップやイベント
  • 減災啓発ツール

減災取り組み①:避難訓練・防災訓練

災害発生を想定した状況下で、避難経路や適切な行動の確認を行ううえで有効なのが避難訓練です。
災害からの避難を踏まえて行う避難訓練に加えて、災害発生時の手順の確認や、消火などの訓練も合わせて行う防災訓練もあります。

避難訓練・防災訓練は企業、教育機関、地域コミュニティなどで実施されているので、積極的な参加が減災取り組みにつながるでしょう。

減災取り組み②:ハザードマップ

ハザードマップとは、自然災害発生時の被災想定区域や避難場所・避難経路などの防災関係施設の位置などを表示した地図です。
あらかじめ自宅や勤務先のハザードマップを入手しておくことで、災害発生時の避難場所や避難経路を確認できます。

ハザードマップは国土交通省が公開している「ハザードマップポータルサイト」で確認できます。
画面上で実際に自然災害発生時にどのエリアが被害を受けるのか確認できる「重ねるハザードマップ」、当該地域のハザードマップを入手できる「わがまちハザードマップ」両方を公開しているので、減災の取り組みに役立てましょう。

参考:ハザードマップポータルサイト

減災取り組み③:事前防災行動計画

防災行動計画とは、防災関連機関が災害発生時「いつ・だれが・何をするか」を時系列で整理した計画を指し、タイムラインとも呼ばれています。

事前に防災行動計画を策定しておくと、企業や住民、行政、各機関が災害に対して適切な行動を連携して取ることができます。

個人や家族、地域コミュニティでも防災行動計画を策定および確認しておけば、減災の取り組みとして大きな効果が得られるでしょう。

減災取り組み④:ワークショップやイベント

行政や自治体のほか、関連企業や教育機関、市民団体などが主導になった減災のためのワークショップやイベントを随時開催しています。

災害発生時の適切な対処法から、役に立つ知識まで学べる機会ですので、個人的な防災や減災能力を上げる上で役立ちます。

減災取り組み⑤:減災啓発ツール

減災啓発ツールとは、内閣府の防災啓発への取り組みのひとつとして作られた、自然災害の知識や対策方法を身に着けるために作られたパンフレットです。

日常生活の中に隠されている減災のヒントが得られる「みんなで減災」、いつ起きるか分からない自然災害に対して、どんな備えをしておけば良いかがまとめられた「減災のてびき」、商店街などの地域コミュニティや事業者、企業が防災活動において「共助」の精神で行った減災取り組みの事例がまとめられている「地域における防災力活動のきっかけづくり 情報・ヒント集」などがあります。

目を通しやすい冊子になっているため、今日からできる減災の取り組みを知りたいときに活用してみましょう。

参考:減災啓発ツール : 防災情報のページ – 内閣府

減災取り組みを始める方法

行政や自治体が行っている減災取り組みのほか、自分が住んでいる地域でも、さまざまな減災取り組みは日々行われています。
自分が参加できる、できる減災取り組みを知る方法は、主に以下の4つがあります。

  • 町内会の掲示板や回覧板をチェックする
  • 自治体消防本部や行政が配信している防災メールに登録する
  • 自治体の広報をチェックする
  • 地域ごとの減災取り組みを探す

地域のお知らせを配信しているツールには掲示板、回覧板があります。
集団防災訓練や避難訓練などの地域での減災行事が開催される場合は、掲示板や回覧板でお知らせされることが多いです。

また、自治体が発信している情報をキャッチできるツールも活用できます。

自治体の消防本部や行政が配信している防災メールに登録したり、アプリをダウンロードしたりといった方法でも減災取り組みやイベントの情報が得られます。

紙媒体である自治体の広報紙にも、減災に関するイベントがあれば掲載されるでしょう。

自発的に減災取り組みを探す場合は、内閣府が取りまとめている全国の減災取り組みの事例を検索するのも有効です。

参考:減災への取り組み : 防災情報のページ – 内閣府

減災取り組みは市民の力があってこそ

減災は行政や自治体、企業はもちろん、市民自らが参加しないと効果を発揮しません。
地域コミュニティや団体を中心に、多くの減災取り組みが行われています。

気軽に参加できるイベントやワークショップなども体験すると、日ごろの防災や減災意識の向上にもつながるでしょう。
ぜひ今自分でできることから、減災取り組みを始めてみてください。

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