最終更新日:2023/03/27 (公開日:2018/09/07)
【秋田県】自然災害の特徴と対策ポイント!!過去に起きた災害も解説
地震、津波、台風、土砂災害…。「災害大国」ともいわれる日本列島では、いつどこで災害に遭遇してもおかしくありません。
災害への備えは、地域ごとの地理的特徴と社会特性を知り、災害の種類ごとにどんな影響がおきるのかを正確に把握するところからスタートします。
ここでは、秋田県における地震・津波災害、風水害、土砂災害の特徴を整理し、それぞれの災害についての対策のポイントを紹介します。
目次
秋田県で想定される地震・津波災害
地震災害には、陸域の浅いところで活断層が活動することにより発生する直下型の地震と、海域のプレートが跳ね上がって発生する海溝型の地震とがあります。
秋田県に被害を及ぼすと考えられているのは、日本海東縁部の海域での地震と秋田県内の陸域で発生する地震です。
日本海東縁部では過去にも83名の死者がでた地震が発生しています。
過去に起きた地震も参考に今後発生する恐れがある地震を確認しておきましょう。
秋田県が過去に影響を受けた大きな地震
- 1964年6月16日 新潟地震
- 1983年5月26日 日本海中部地震
- 1996年8月11日 秋田・宮城県境
- 2003年5月26日 宮城県沖
- 2008年6月14日 岩手・宮城内陸地震
- 2011年3月11日 東北地方太平洋沖地震
直下型地震
秋田県で直下型地震を起こす可能性のある活断層は
- 能代断層帯
- 北由利断層帯
- 花輪東断層帯
- 横手盆地東縁断層帯
- 雫石盆地西縁−真昼山地東縁断層帯
といったものがあります。
中でも今後30年の間で発生する確率が高いのが北由利断層です。
北由利断層は秋田県秋田市から、由利本草市にかけて日本沿岸部に分布している断層です。
この地震が発生した場合地震の規模はマグニチュード7.3程度が予測され、その発生確率は日本国内の活断層の中でもやや高いグループに分類されます。
地震が発生した場合、秋田県全土に震度5強以上の揺れが伝わることが予測されています。
海溝型地震
秋田県に被害を及ぼす海溝地震として予測されているのは
- 青森県西方沖
- 秋田県沖
- 山形県沖
- 佐渡島北方沖の領域
といった海域です。
以上の中で今後30年の間で発生する可能性が高いのは、秋田県沖です。
秋田県沖で地震が発生すると、マグニチュード7.5程度の規模が予測されています。
秋田県沖において実際に地震が発生したとすると、県内全体的に揺れが広がることが予測されます。
震源地から遠い秋田県東部であっても揺れの被害が起こる可能性があることが地図からも分かります。
この地震によって発生する津波は、最短で14分後に男鹿市に到達すると考えられています。遅くとも30分後には沿岸部の地域に到達するので早めに避難しましょう。
秋田県の被害想定
秋田県全体に被害が及ぶと考えられている熊代断層帯による地震が発生した場合の被害想定を見てみましょう。
震度分布
秋田県全体に被害が及ぶ直下型地震が起きた場合の震度分布は以下の地図のようになります。
全体的に震度5以上の揺れが予測されていますが、最も被害が大きい地域は震度7の揺れが起こることが予測されています。
液状化
液状化の被害予測も日本海沿いに南北に危険度の高い地域が伸びていることが分かります。
危険度が低い地域でも大きな地震が発生した場合は液状化が発生する可能性があります。
住んでいる地域の周辺に色のついている場合は液状化の危険性も忘れないようにしましょう。
がけ崩れ・土砂災害
地震が原因でがけ崩れや土砂災害の恐れがある危険な箇所が急傾斜地崩壊危険個所として指定されます。
地図を見ると日本海東縁部沿いに危険度の高い場所が固まっていることが分かりますが、それ以外にも全体的に被害の危険性が高くなっていることが分かるかと思います。
土砂災害は危険度が理解されにくいことから避難が遅れてしまうことで被害が増加する傾向があります。
お住いの地域の危険性は把握しておきましょう。
県では断層別に被害想定がされています。
今回は中でも被害が多いとされる冬の深夜に北由利断層で地震が発生した場合、県全体で予測される地震被害を見ていきます。
建物被害 | 全壊 | 30,007棟 |
人的被害 | 死者 | 1,573人 |
負傷者 | 9,898人 | |
ライフライン被害 | 上水道 | 274,815人 |
下水道 | 32,972人 | |
都市ガス | 236,492人 | |
電力 | 144,980世帯 |
海域で地震が発生した場合は、被害のうち約9割が津波を原因とした被害になると考えられます。
津波が発生した後、すぐに避難ができれば人的被害は70%現象させることが可能になります。
迅速な避難を心がけましょう。
秋田における風水害・土砂災害
風水害は地震や津波にくらべて危機意識が低くなりがちです。
秋田県でも過去に風水害によって死者が発生するなど、大きな被害を受けた事例があります。
風水害の被害を防ぐためには、対策と早めの避難が重要です。
地域のハザードマップを確認しておくなどをして対策をしましょう。
過去に秋田県でおこった風水害
- 1991年9月 台風19号
- 2004年8月 台風15号
- 2004年8月 台風18号
- 2004年9月 台風21号
- 2012年4月 暴風
- 2017年7月 大雨
他にも気を付けなければいけのが土砂災害です。
土砂災害は、地震の際にも発生する可能性があります。
土砂災害は県で指定危険区域が公開されています。
このマップは拡大縮小や、知りたい項目だけに絞ってみることが出来るのでお住いの地域周辺を確認しておきましょう。
秋田県が行っている災害対策
秋田県の運営する防災ポータルサイトでは、リアルタイムで警報の情報が確認できます。
図からわかるように確認できる情報は
- 雨雲の様子
- 気象情報
- 土砂災害
- 台風情報
- 竜巻情報
- 地震情報
- 津波情報
と災害時のみでなく、普段の生活でも活用できるような情報が配信されています。
災害時は情報不足が命取りになります。
こまめにチェックするようにしましょう。
他にも、このサイトでは防災に役立つ情報が多く更新されています。
地域の防災情報も豊富に掲載されているので、災害対策の際に参考にしましょう。
秋田県の防災情報の獲得には以下の方法もおすすめです。
秋田県における防災対策のポイント
秋田県は、地震・津波・風水害以外に雪害を受けることがあります。
雪害では、
- 除雪中の事故
- 雪崩による事故
- 雪道での事故(車・歩行者)
といった災害が起こります。
雪による被害を受けないための用意も怠らないようにしましょう。
HPでは「秋田県の雪対策に関する情報」も公開されています。
また、地震による災害が起きた時雪によって被害が大きくなることもあります。
その大きな原因は、雪によって避難が遅れることがあげられます。
雪が降っている際にどのように避難するべきか、事前に確認しておくといざという時にスムーズに動くことが可能になるでしょう。
さらに、避難先では暖房の無い生活を強いられることもあります。
寒さ対策のできる避難道具の準備をしておきましょう。
①地震・津波への備え
地震・津波は突然発生し、破壊力が非常に大きいため、何をおいても命を守るための対策をたてておくようにしましょう。代表的なのは揺れを抑える対策です。自治体によって耐震診断などに助成金を出している場合もあるので、問い合わせてみて積極的に活用しましょう。
- 耐震補強:壁や屋根、天井、照明器具など
- 家具や家電製品の固定、棚の中身の飛び出し対策、ガラス飛散防止対策
また、大規模な地震の場合はどんなに備えていても必ず被害が発生すると覚悟して、長期間の被災生活を想定した備えをしておくことも重要です。
- 停電対策:バッテリーや蓄電器、簡易発電機などの準備
- 断水対策:飲水や生活用水の確保
- 下水対策:下水道損傷に備えた簡易トイレの確保
- 備蓄対策:食料、生活必需品の備蓄、暖房器具の用意
- 避難対策:津波や大規模火災時の避難場所、避難方法の確認、非常持出品の整理
特に津波からの避難は一刻を争います。ふだんから高台や津波避難タワーなど、津波から逃れるための場所を確認し、いざというときにすばやく逃げることができるよう、避難訓練にも参加しておきましょう。
②風水害への備え
風水害の場合は、気象庁からあらかじめ予報が出されるため、できるだけ早く正確な情報をつかんで、災害が発生する前に避難できるようにすることがもっとも重要なポイントとなります。
ふだんから気象関係のアプリやホームページにアクセスして、どんな情報がどこにあるか、どのくらいの状態になったら避難などの対応が必要かなど、気象情報を正しく読み取れるようになっておきましょう。
③土砂災害への備え
土砂災害は前触れなく発生します。大雨で地盤が緩んでいるときに起きやすいですが、はっきりとした兆候がみつけにくいことも多いため、崩れることに気づいてからでは助かりません。
土砂災害の場合は、土地の危険性についてあらかじめ知っておくことがもっとも重要なポイントになります。 土砂災害の危険性については、自治体が発表している土砂災害危険度情報(土砂災害ハザードマップなど)が参考になります。ホームページで公開されていますので、あらかじめ確認しておきましょう。
また、大雨のときには、気象庁と都道府県から土砂災害警戒情報や土砂災害に関する避難情報も発表されますので、該当する地域にいる場合はできるだけ早く避難してください。
まとめ
災害はいつどこで発生するかわかりませんが、むやみやたらと恐れて根拠のない都市伝説に引っかからないようにしましょう。
一人ひとりが災害に対する正しい知識を身につけ、「きちんと怖がる」ことが、災害と向き合う第一歩です。
「まさか自分が」とならないよう、良質な情報を集め、できることから備える行動を起こしましょう。