2018.09.07

大分県で気をつけるべき災害とは 大分県における災害の特徴と対策方法

written by admin

地震、津波、台風、土砂災害…。「災害大国」ともいわれる日本列島では、いつどこで災害に遭遇してもおかしくありません。

災害への備えは、地域ごとの地理的特徴と社会特性を知り、災害の種類ごとにどんな影響がおきるのかを正確に把握するところからスタートします。

ここでは、大分県における地震・津波災害、風水害、土砂災害の特徴を整理し、それぞれの災害についての対策のポイントを紹介します。

大分県で想定される地震・津波災害

地震災害には、陸域の浅いところで活断層が活動することにより発生する直下型の地震と、海域のプレートが跳ね上がって発生する海溝型の地震とがあります。

大分県に影響する直下型地震と海溝型地震について、発生のしやすさと起こりうる被害想定についてみていきましょう。

大分県における直下型地震

大分県で発生する直下型地震で一番被害が大きいと予想されるものは中央構造線断層帯から発生する直下型地震です。

そのほかにも大分県内には、日出生断層帯、万年山・崩平山断層帯、周防灘断層群主部など、多くの断層帯があり、県内のいつどこで地震がきてもおかしくありません。

出典:地震本部|大分県の地震活動の特徴

大分県の地震活動の特徴

震度分布(揺れやすさ)

大分県でもっとも大きな影響をあたえる中央構造線断層帯地震の揺れやすさを表す震度分布図は以下のとおりです。

別府市、由布市、大分市など市街地で最大震度7の強い揺れに見舞われると想定されています。

液状化

大きな揺れにより地盤が液状化を起こすと、水道管やガス管などの地中のパイプが破損する被害が発生します。

下の図は、中央構造線断層帯地震の液状化の起こりやすさを表した液状化危険度分布図です。別府市、由布市、大分市を中心に沿岸の一部で危険度が高くなっています。

中央構造線断層帯地震における震度分布(左)、液状化分布(右)

www.pref.oita.jp/uploaded/attachment/2043903.pdf

建物倒壊、地震火災被害

中央構造線断層帯地震による建物被害では、揺れ、火災などにより、全壊8万8000棟以上半壊5万9000棟以上になると想定されています。

人的被害

津波や建物の倒壊や火災などにより、おおぜいの死者や負傷者が発生します。

南海トラフ地震では、死者数が2万人人近く、負傷者が1万3000人以上発生すると予測されています。

また、避難所での生活を余儀なくされる人は約27万人にのぼるとされています。

インフラ被害

大きな揺れにより、地中に埋められた管渠が損傷し、上下水道、電力、通信、都市ガスなどのインフラ施設にも大きな被害が発生します。

また、高速道路などの道路被害、鉄道被害、港などの公共施設の被害も想定され、移動手段にも支障が出ます。

市民生活への影響がもっとも大きくなるのは警固断層帯断層の地震で、以下のような大規模なライフライン停止が予測されています。

  • 停電など:約5万9000世帯
  • 断水:約65万人
  • 情報通信:約17万8000回線世帯

その他、エレベーター停止による閉じ込め被害が発生し、帰宅困難者は市街地を中心に県内全体で約60万人発生する可能性があります。

大分県における海溝型地震

大分県にもっとも大きく影響するのは、西日本の太平洋側一帯で発生する確率が高いとされる南海トラフ地震と想定されています。

津波の高さ、到達時間

海溝型の地震でもっとも顕著となるのは津波による被害です。

南海トラフ地震では、佐伯市蒲江丸市尾浦で、最速26分で津波が到達し、最大12.79mの高さになるとされています。

津波はものすごい量の海水が壁のようになり、桁違いの圧力であらゆるものを一気に飲み込んで、まきこまれたガレキと一緒になってすべてを押し流します。
2mの津波で木造家屋は完全に破壊されてしまうといわれています。

震度分布(揺れやすさ)

大分県でもっとも大きな影響をあたえる南海トラフ地震の揺れやすさを表す震度分布図は以下のとおりです。

佐伯市の一部で最大震度6強、県内のかなりの部分が震度5弱以上の強い揺れに見舞われると想定されています。

液状化

大きな揺れにより地盤が液状化を起こすと、水道管やガス管などの地中のパイプが破損する被害が発生します。

下の図は、南海トラフ地震での液状化の起こりやすさを表した液状化危険度分布図です。大分市、佐伯市沿岸で危険度が高くなっています。

南海トラフ地震における震度分布(左)、液状化分布(右)

www.pref.oita.jp/uploaded/attachment/2043903.pdf

建物被害

南海トラフ地震による建物被害では、揺れ、火災、津波などにより、全壊3万棟半壊5万棟以上になると想定されています。

人的被害

津波や建物の倒壊や火災などにより、おおぜいの死者や負傷者が発生します。

南海トラフ地震では、死者数が2万人近く、負傷者が1万3000人以上発生すると予測されています。

また、避難所での生活を余儀なくされる人は約11万人にのぼるとされています。

インフラ被害

大きな揺れにより、地中に埋められた管渠が損傷し、上下水道、電力、通信、都市ガスなどのインフラ施設にも大きな被害が発生します。

また、高速道路などの道路被害、鉄道被害、港などの公共施設の被害も想定され、移動手段にも支障が出ます。

市民生活への影響がもっとも大きくなるのは警固断層帯断層の地震で、以下のような大規模なライフライン停止が予測されています。

  • 停電など:3万世帯
  • 断水:37万人
  • 情報通信:約9万世帯

その他、エレベーター停止による閉じ込め被害が発生し、帰宅困難者は約60万人以上になるとされています。

大分県で発生した過去の地震災害

大分県における過去の直下型地震

大分県で発生した直下型の地震では、1596年の別府湾の地震(M7.0)など、別府湾周辺から由布院町周辺で多く発生しています。

その他、火山活動の影響による地震で、1975年には1月に阿蘇カルデラ北部の群発地震(M6.1)、4月に大分県中部の地震(M6.4)と連続して発生した例もあります。

最近では2016年の熊本地震(M6.5、M7.3)の地震により、大分県内でも死者3名、負傷者34名、住家全壊10棟などの被害が発生しています(平成30年10月15日現在、消防庁調べ)。

大分県における過去の海溝型地震

大分県付近で発生した海溝型地震では、1769年の日向灘北部から豊後水道にかけての地震(M7)、1854年の安政南海地震(M8.4)と直後に起きた伊予西部の地震(M7.4)で大きな被害が発生したと記録されています。

近年では、日向灘の地震も繰り返し発生しています(1941年M7.2、1984年M7.4)。

南海トラフ地震と同様の津波被害では、1707年、佐伯や臼杵など豊後水道沿いの地域に家屋流出などの被害が発生した記録が残されています。

大分県における風水害

大分県で気をつけなければならない災害は、地震だけではありません。近年は九州北部や中国四国の大雨や台風などの風水害も、大規模な被害が発生しています。

台風被害

台風は、7月から9月を中心に接近したり上陸したりするものが多く、大分県でも毎年のように台風の襲来に見舞われます。
台風が来ると、暴風や浸水、高潮や高波などで大きな被害が発生する場合があります。

過去大分県では1991年(平成3年)台風第19号で死者1名、重傷者13名、家屋の全壊78棟、半壊945棟の被害がありました。

集中豪雨、大雨被害

大分県における大雨は、梅雨前線が活発になって発生する集中豪雨による被害も多く、毎年のように被害が発生しています。近年では、2017年の平成29年7月九州北部豪雨と台風3号による大雨と暴風の際に、大分県と福岡県で死者40名、行方不明2名、全壊336棟、半壊1096棟、一部破損44棟、床上浸水180棟、床下浸水1481棟の被害が発生しています。

このときの災害では、多数の家屋が洪水により流される被害が発生しました。山間部でなぎ倒された杉などの木が河川に大量に流れ込み、20万トンもの流木が住宅地に押し寄せたため、破壊力が大きくなり、大きな被害をもたらしたといわれています。

大分県における土砂災害

毎年発生する自然災害の中で、死者や行方不明者が発生する割合がもっとも高いのは、実は土砂災害です。阪神・淡路大震災と東日本大震災の特異ケースを除けば、自然災害による死者・行方不明者のうち4割を土砂災害が占めています。

大分県では、8,137箇所の土砂災害危険箇所があり、過去に何度も土砂災害による被害が発生しています。

土砂災害は、がけ崩れ、土石流、地すべりの順に発生しやすくなっています。

大分県でも、多くの土砂災害が発生し、甚大な被害が起きています。風水害の事例としてとりあげた2017年の平成29年7月九州北部豪雨と台風3号による大雨と暴風の災害時でも、土砂災害が多く発生しました。日田市では大規模な土砂崩れにより川がせき止められて土砂ダムができてしまいました。

大分県における防災対策のポイント

大分県では、公式ホームページで最新の防災・災害情報を公表しています。

また、県の公式アプリ「おおいた防災アプリ」もあり、次のような機能を有しています。平時の事前の備えとして、また、災害発生時の情報収集ツールとして役立つ機能が満載です。ダウンロードは無料ですので、いざという時に備えダウンロードしておくとよいでしょう。

  • 避難情報や気象警報等をプッシュ通知でお知らせ
  • ハザード情報として、津波浸水想定区域や大雨等による災害発生の恐れがある場合は土砂災害警戒区域等を表示
  • 現在地周辺の避難所等を自動検索して、避難所等までのルートを表示
  • 道路規制情報やライブカメラによる道路や河川のライブ映像が視聴可能 等

スマートフォンを持っていない方などは、大分県防災局が運営するメルマガを登録しておくと、最新情報が集めやすくなります。

メルマガでは、以下のような情報が配信されます。

  • 気象警報、土砂災害警戒情報
  • 地震情報、津波警報・注意報、
  • 噴火予報・警報、噴火速報、降灰予報、
  • 洪水予報、気象予報、竜巻注意情報、雨量情報、記録的短時間大雨情報、、河川水位情報、避難情報
  • 緊急情報
  • 化学オキシダント情報、食中毒注意報、週間天気予報をお届けします。
  • 配信対象地域:https://www.bousai-oita.jp/pc/cities.html
  • メルマガ登録ページ https://www.bousai-oita.jp/pc/index.html

地震・津波への備え

地震・津波は突然発生し、破壊力が非常に大きいため、何をおいても命を守るための対策をたてておくようにしましょう。代表的なのは揺れを抑える対策です。自治体によって耐震診断などに助成金を出している場合もあるので、問い合わせてみて積極的に活用しましょう。

  • 耐震補強:壁や屋根、天井、照明器具など
  • 家具や家電製品の固定、棚の中身の飛び出し対策、ガラス飛散防止対策

また、大規模な地震の場合はどんなに備えていても必ず被害が発生すると覚悟して、長期間の被災生活を想定した備えをしておくことも重要です。

  • 停電対策:バッテリーや蓄電器、簡易発電機などの準備
  • 断水対策:飲水や生活用水の確保
  • 下水対策:下水道損傷に備えた簡易トイレの確保
  • 備蓄対策:食料、生活必需品の備蓄
  • 避難対策:津波や大規模火災時の避難場所、避難方法の確認、非常持出品の整理

風水害への備え

風水害の場合は、気象庁からあらかじめ予報が出されるため、できるだけ早く正確な情報をつかんで、災害が発生する前に避難できるようにすることがもっとも重要なポイントとなります。

大分県では過去に甚大な被害をもたらした1991年(平成3年)台風第19号を元に「九州の西側を通過する場合」、「九州の東側を通過する場合」、「数十年に一度(特別警報クラス)」のケースの3つのケースを想定し『台風事前防災行動計画』を策定しています。

ふだんから気象関係のアプリやホームページにアクセスして、どんな情報がどこにあるか、どのくらいの状態になったら避難などの対応が必要かなど、気象情報を正しく読み取れるようになっておきましょう。

土砂災害への備え

土砂災害は前触れなく発生します。大雨で地盤が緩んでいるときに起きやすいですが、はっきりとした兆候がみつけにくいことも多いため、崩れることに気づいてからでは助かりません。

土砂災害の場合は、土地の危険性についてあらかじめ知っておくことがもっとも重要なポイントになります。

土砂災害の警戒区域は大分県のホームページで確認できます。自分の地域の被害リスクを理解するようにしましょう。

大分県土砂災害危険箇所情報

土砂災害の危険性については、自治体が発表している土砂災害危険度情報(土砂災害ハザードマップなど)が参考になります。ホームページで公開されていますので、あらかじめ確認しておきましょう。

また、大雨のときには、気象庁と都道府県から土砂災害警戒情報や土砂災害に関する避難情報も発表されますので、該当する地域にいる場合はできるだけ早く避難してください。

気象庁 土砂災害警戒情報・大雨警報(土砂災害)の危険度分布についての解説ページ

まとめ

災害はいつどこで発生するかわかりませんが、むやみやたらと恐れて根拠のない都市伝説に引っかからないようにしましょう。

一人ひとりが災害に対する正しい知識を身につけ、「きちんと怖がる」ことが、災害と向き合う第一歩です。

「まさか自分が」とならないよう、良質な情報を集め、できることから備える行動を起こしましょう。