災害発生時、命を守るためや生活を快適にするためなど、いろいろな用途で防災グッズを使います。
この防災グッズを安全、かつ確実に運ぶために使うのが防災バッグです。
防災バッグは、ただ防災グッズを入れて運べれば問題ない、と考えている人も多いかもしれません。
けれども、防災グッズを使用する災害シーンは幅広くありますし、それに応じた防災バッグを選ぶ必要があります。
そもそも防災バッグとは何かの防災バッグの持つ役割から、防災バッグを上手に選ぶポイント、さらに防災バッグをリリースしているメーカーの製品ごとの特徴をまとめました。
これから初めて防災バッグを購入したい人にも参考になる、おすすめ製品もまとめています。
防災グッズを安全に運べる防災バッグ選びをして、災害に備えましょう。
防災バッグの役割や特徴を把握しておこう
防災バッグとは、災害発生時に必要な防災グッズを入れて持ち運ぶためのバッグ全般を指します。
とはいえ、ただ防災グッズを入れて運ぶだけでバッグを選んでしまうと、大変危険です。
まずは、防災バッグの持つ役割や特徴を把握しておきましょう。
防災グッズを確実に運ぶためのバッグ
そもそも、防災グッズとは自分や家族の命の危険が迫った場合でも、生き延びるために使うグッズです。
避難の最中などに雨が降って濡れてしまったり、破損してしまったりすると、せっかく備蓄しておいた防災グッズが役に立たなくなってしまいます。
防災グッズはぬれたり壊れたりしないように、適切に運ばなければいけません。
そのためにも、中身である防災グッズを確実に守りつつ、運べる機能のあるバッグを防災バッグとして選ぶのが重要です。
普通のバッグにはない機能が充実
防災バッグは、防災バッグとして販売されている製品もあれば、ほかのリュックやバッグを代用することもできます。
ただし、中にある防災グッズを確実、かつ安全に運ぶためには以下の機能がついている製品を選ぶ必要があります。
- シーンに応じて適切なタイプを選ぶ
- 防水性または撥水性がある
- 長時間背負っても負担がかかりにくい
- 反射テープがついているもの など
防災バッグと一言にいっても、いろいろな形状のものがあります。
災害シーンに合わせて、適切な形状の防災バッグを選びましょう。
防災バッグの種類と、適切な選び方は後程くわしく解説します。
また、防災バッグには防水性または撥水性のある生地で作られているものを選びます。
雨や洪水、台風などの災害時にも中身を濡らさずに持ち運ぶためです。
リュック型の防災バッグの場合、軽量素材で長時間背負っていても負担がかかりにくいものを選ぶのも重要です。
さらに、夜間や停電時の避難も安全かつ迅速に行うために、反射テープのついているものや、後付けで反射テープを貼る必要もあります。
防災バッグは、防災バッグとして販売されているもの以外を選ぶなら、アウトドア用リュックサックなど、機能性の高いものを防災バッグとして代用する方法があります。
ただし、必ずそれぞれの避難シーンで適切に使える機能が備わっている製品を選ぶのが必須となるでしょう。
防災バッグの4つの種類と活用シーンを把握しよう
防災バッグは、大きく分けて「リュックサック型」「キャリーケース型」「トートバッグ型」「その他」の4種類があります。
防災バッグを使う災害シーンに応じて、適切な種類を選ぶのが重要です。
防災バッグの種類その1:リュック型防災バッグの特徴と選び方
リュック型の防災バッグは、その通りリュックサック型のバッグで防災グッズを入れて持ち運ぶのに特化したバッグを指します。
メリットや特徴
- 両手が空けられる
- 幅広い災害シーンで利用できる
「非常持ち出し袋」「防災リュック」など異なる呼び名がある
リュック型の防災バッグは、背中に背負って移動できるため、両手が空けられるのが最大の特徴です。
ほかの防災バッグよりも、迅速かつ安全な避難をするときにぴったりのバッグになっています。
そのため災害発生後、現在地が危険な場所になった場合に迅速な避難をするために、命を守るために必要な最低限の防災グッズを詰めた、一時避難用の非常持ち出し袋や防災リュックとしても多く活用されています。
さらに防災バッグのなかでもいろいろな用途で使われる、汎用性の高いバッグであるのも特徴のひとつです。
一次避難時に使う場合は非常持ち出し袋など、避難シーンによっても呼び方が異なるのも特徴と言えるでしょう。
防災リュックの選び方は、実際に使う人の体型に合ったものを選ぶことです。
そのほか、暗闇や停電時でも自分の存在を周りに知らせるための反射テープや、雨天時の避難も中身をぬらさずに迅速に避難できる防水性能、最低でも撥水機能がほどこされているものを選びましょう。
なお、反射テープがついていないリュックもありますが、反射テープのみを購入できるため、後付けは可能です。
防災バッグの種類その2:キャリーケース型の特徴と選び方
キャリーケースといえば、旅行や出張などで使用するキャスター付きのバッグをイメージする人も多いでしょう。
その通り、キャリーケース、防災バッグとしての機能を持っているものが、キャリーケース型の防災バッグです。
メリットや特徴
- 自分で背負わず転がして運べる
- 迅速な避難ではなく、多くの荷物を運ぶのに適している
キャリーケース型の防災リュックは、リュックのように自分で背負わず転がして運べるのが最大の特徴になります。
そのため、大量の荷物を運んだり、赤ちゃんを抱っこしている人、高齢者などで長時間重い物が持てなかったりする場合に有効といえます。
ただし、災害で寸断された道路などの悪路では転がして運べません。
またキャリーケース型は片手がふさがる、地面に転がすためどうしても両手が空いて移動できる防災リュックよりも機動力が落ちます。
一次避難のような迅速な避難が必要なシーンには不向きと言えるでしょう。
以上から、キャリーケース型は二次避難などある程度機動性よりも大量の荷物を確実に運ぶ災害シーンに活用するのが有効です。
また製品によってリュックにもキャリーケースにもなるものもありますので、そのような製品を選べばより災害シーンで有益に活用できるでしょう。
防災バッグの種類その3:トートバッグ型の特徴と選び方
気軽に物を持ち運べるサブバッグや、買い物袋、習い事のかばんなどで活用されるトートバッグ。
トートバッグ型は、トートバッグに撥水加工や軽量素材などの防災バッグとしての機能を備えたものを指します。
メリットや特徴
- 間口が広く物を取り出しやすい
- 大荷物を持ち運ぶのには不向きのため、サブバッグや子ども用向け
トートバッグ型の防災バッグは、一般的なトートバッグと同じく間口が広くなっています。
そのため、すぐに中から物を取り出せるのが最大の利点です。
ただし、リュックやキャリーケースよりはサイズが小さいものも多く、まとめて多くの防災グッズを入れるのには不向きになっています。
赤ちゃんや子供用の防災グッズだけまとめて入れておく、子ども用の防災バッグとして使うなど、補助的な使用に有効な防災バッグと言えるでしょう。
防災バッグの種類その4:その他の防災バッグもある
最後に、通常時はリュックやキャリーケースとして使えるけれども、ウォーターバッグとしても使えるなど違った使い方ができる防災バッグも多くあります。
ほかに、折りたたみ式で補助的に使えるものなども、その他の防災バッグに含まれます。
その他の分類となる防災バッグは、災害への備えとして必須のものではありません。
けれども、メインで使う防災バッグと一緒に用意しておくと、いろいろな災害シーンで役立つでしょう。
防災バッグの機能や種類、上手な選び方については以下の記事もぜひ参考にしてください。
防災バッグの役割とは?種類と選び方をおすすめ製品とともに紹介
また、防災バッグを製品として購入するさいに役立つ、おすすめ製品を厳選して紹介しています。
防災バッグの種類ごとに選定していますので、初めての防災バッグ選びにもぜひ役立ててください。
防災バッグのおすすめ製品で選んでみよう
防災バッグは防災バッグそのものとして売られているものもありますが、多くが必要な防災グッズと一緒にセットになっている、防災セットの一部として販売されていることが多いです。
防災バッグはいろいろなメーカーから販売されていますが、特に「気軽に防災グッズをそろえたい」「できるだけコストをかけずに用意しておきたい」という人に人気になっているのが、山善から発売されている「防災バッグ30」です。
山善 防災バッグ30を始めとした防災バッグのセット
軽量タイプのリュック型防災バッグと、一時避難の特化した30点の防災グッズがセットになっているのが山善防災バッグ30です。
気軽に防災バッグとグッズを揃えたい人にとっては心強い製品となりますが、ただ購入するだけでは災害への備えが万全とはいえません。
山善防災バッグ30だけでなく、防災バッグとグッズがセットになった防災セットを購入するときには、「何の災害シーンで活用したいか」「含まれている防災グッズを確認し、必ず過不足なく必要な防災グッズをそろえて備蓄する」ことが大切になります。
山善防災バッグ30の特徴とともに、防災シーンで上手に活用する方法を知りたい人は、こちらの記事を参考にしてください。
山善「防災バッグ30」の特徴やメリット、災害対策に活用する方法を紹介
防災バッグを上手に選んで災害への備えにつなげよう
防災グッズを安全かつ確実に運べる防災バッグを選ぶのは、物資が不足しライフラインも止まってしまう災害時には重要なこととなります。
確実な備えのために、防災グッズだけでなく防災バッグも適切なものを選んでおきましょう。