最終更新日:2023/03/27 (公開日:2020/02/08)
土砂崩れからの逃げ方
先日、九州地方を中心に大雨が降り、熊本県甲佐市では1時間に150mmもの猛烈な雨を観測され、記録的短時間大雨情報が発表されました。
一連の豪雨により、各地で発生した土砂災害や河川の増水等により、犠牲者が出てしまったことは非常に残念でなりません。亡くなられた方のご冥福をお祈りいたします。
このような災害はいつ・どこで発生するかわかりません。他人事だとは思わず、万が一の時の場合にどうしたらいいか、日頃から考えておく必要があります。
ここでちょっと考えてみましょう。
土砂災害は大雨により引き起こされます。
雨というのは地震や火山の噴火とは違い、ある程度事前に予測はされております。
…ということは、適切なタイミングで適切な行動をとることで、例え家が流されたとしても、命だけは助かることができます。
ではどのような情報を元に適切なタイミングを見極め、どのような行動が適切な行動なのか、ここではその一例について紹介いたします。
土砂崩れから身を守るためのポイント
大雨については、まず、気象庁から発表される情報としては大雨警報があります。
当たり前のことですが、大雨警報が発表されていたら、危機感を持つことが大事です。
そして、次に土砂災害警戒情報というものがあります。
これは土砂災害発生の危険度がさらに高まったときに発表され、自治体が発令する避難勧告の発令基準も、土砂災害警戒情報の発表の有無としているところもあります。
ということは、自分が今いる場所の近くに崖や斜面がある場合は、土砂災害警戒情報が発表されたら、その場所から離れ、もしそこが自宅であれば避難所に避難することをおすすめします。
ここでポイントを2つお伝えします。
ポイント1 早めの避難を
まず、一つ目としては、自治体の避難勧告発令を待たないということです。避難勧告は各自治体の首長の判断により発令されますが、過去の災害を見ると、避難勧告発令前に災害が発生し、犠牲者が出るということもありました。
したがって、避難勧告の発令を待たずに、土砂災害警戒情報が発表されたら、もしくは発表されていなくても、今後大雨が降り続くと予想されているのであれば、念には念を入れ、避難したほうがよいでしょう。
ポイント2 家のなかでは垂直避難を
次に二つ目です。例え避難所に避難しようとしても、夜中で見通しが悪く、かつ、大雨が降っている状況であることや、また、ご高齢の方がいてなかなか避難することができないといった状況に置かれる場合もあるでしょう。そのような状況の場合には、どうしたらいいでしょうか。
まずは、家の中であれば崖や斜面とは反対側に移動しましょう。これにより、少しでも助かる可能性があります。実際、土砂災害の被害を見ても、家の一部(崖や斜面側)だけが被害に遭い、反対側にいた方が助かるといったことがあります。そして、2階建てであれば2階に行きましょう。これを垂直避難といいます。これにより、さらに土砂災害から助かる可能性が上がります。
避難というと避難所に行くことを想像しますが、それだけではありません。避難所にいけない状況であっても、自宅の中で避難することはできます。その状況に応じて、考え得る最善の手段を取りましょう。
まとめ
災害の危険が迫っている時、気象庁は様々な防災気象情報を発表し、自治体は避難勧告を発令します。しかし、実際になんの被害も発生しない時も多々あります。
しかし、近年増え続ける「想定外」の災害から自分の命を守るためには、早め早めの行動が何よりも重要です。
「せっかく避難したのに結局何も起きなかったじゃないか」ではなく、「災害が発生しなくてよかった」と思えるような防災意識を高いひとが増えるように……。
これからも防災ガールでは、防災に関する情報をお届けしていきたいと思います。