身体障がい者が避難する時の課題とは?支援の必要性と必要なコミュニティについて

車椅子押している

障がい者のかたは、災害が起こった時に避難や避難所での生活などに多種多様な問題を抱えている。

今回は車椅子の方が抱える問題に関して、実際に車椅子の方に災害や防災に対してどのように考えているのかをお聞きした。

01.障がい者の避難の現状

車椅子 老人 寂しい

災害時の障がい者の方の死亡率

「障がい者の死亡率は、住民全体の死亡率のと比較して3倍になることも」

これは、東日本大震災の宮城県南三陸町の死亡率データからわかったことで、
避難のときに、手助けが必要な在宅の障がい者などが逃げ遅れる事が原因と考えられている。

参考資料:https://www8.cao.go.jp/shougai/whitepaper/h24hakusho/gaiyou/column/column04.html

自治体の取り組み

今後も南海トラフ地震や首都直下型地震などの大規模な災害が起きる可能性がある。

その中で、国の災害基本法が改正されて、各自治体に高齢者や障がい者などの「避難行動要支援者」を把握するための名簿作成を義務づけた。

またその名簿をもとに、個別的に支援者を決め、避難を支援するための“個別避難計画”をつくることを推奨している

しかし、この取り組みはなかなか進んでいないのが現状。

NHKの2015年12月~2016年1月にかけて行ったアンケート

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出典:https://www.nhk.or.jp/heart-net/article/10/ 「災害と障害者」に関する自治体アンケート
調査期間 2015年12月~2016年1月
調査対象 「南海トラフ地震防災対策推進地域」「首都直下地震緊急対策区域」に指定されている市区町村

グラフから、必要な人をカバーできていない上に支援者の確保ができないという二重の問題がある。

02.障がい者の方の声

車椅子の女性

災害時の避難に関して

「私は現在車椅子で一人暮らしをしているのですが、
やはり車椅子というのもあり、突如災害が発生した場合、すぐに逃げ出すことができません。

被災をした際どこにどう連絡したらいいのかわからない(情報がない)ので、被災をした際に地域に「頼れる」ネットワークなどがあれば心強いと思います。」

そう語るのは、現在岡山市で一人暮らしをされている夏帆さん(仮名/37)。

夏帆さんは、24歳の頃に筋疾患を発症。
※筋疾患とは…神経や筋肉の異常によって、筋力が低下したり筋肉が萎縮する病気の総称

それまでは普通の生活をしていたが、歩くのが困難になり車椅子の生活に。その後は、岡山に移転して車椅子に理解のある企業で働くように。その後、平成30年に発生した西日本豪雨被害を間近で見て、災害について考える機会があったという。

災害があった時のためにどんな準備をしているのかを聞いてみた。

「私は電動の車椅子に乗っているので、充電はこまめにするようにしています。
また、予備の充電バッテリーがあるので、それを持ち歩いていたり。

食料品とかは特にストックしていなくて、準備しているのは懐中電灯ぐらいですね。」

避難所での暮らしに関して

車椅子 女性後ろ姿

「震災があったその瞬間じゃなくて、避難した後とかの方が大変だと思うんですよね。障がい者に関しての配慮とかっていうのは。」

様々な人が集まる避難所では、障がい者だけでなく妊婦や子ども、高齢者など異なるニーズの人たちが集まる場だ。

その中で自分のニーズを主張して、お互いに理解していく。

イレギュラーな環境の中で、夏帆さんが何を求めるのかの話をしてくれた。

03.どんな取り組みが求められているのか

「車椅子の人」ではなく一個人としての繋がり

車椅子 女性 微笑み

「車椅子の人って、みんな同じ人に見えがちなんですよね。

ただ、症状が後天性なのか先天性なのかとか、どう介助すればいいのかとかって皆んな全然違うんですよ。

だから、みんな一緒と思われて一律に介助されると、言いたいことが言えなくてストレスが溜まると思うんです。

以前車椅子の人が多い会社にいた時に、『車椅子の人なのにお互いのことがわからないの?』と言われた事がありました。

健常者の方もお互いのことなんでもわかるわけじゃないじゃないですか。何故か車椅子だと違う捉え方をされてしまいます。」

確かに健常者の方の中には、車椅子の人を一色単に見ている人が多くいると感じる。
その見方が、車椅子の人にストレスを与えてしまうのだ。

形式にとらわれない人と人との繋がり

人との繋がり 二つの手

「前に住んでいたところでは、地域の警察官の方が自宅訪問で誰が住んでいるかを確認してきてくれていたんですが、仕事でしていた感があったのであまり信頼できませんでした。

防災イベントとか地域の防災意識高める…とか、そういうものにあまり興味が湧きにくいんですよね。積極的になれないんです。

名前だけの活動のものも多いかなと思っていて、イベントがあってもわざわざ行こうとは思えないです」

どんなイベントなら行きたいと思えるのかを夏帆さんに聞いてみた。

「年に一回調査〜的なものは仕事でやっている感があるので、義務感がないのがいいですね。
心の繋がりのような。人間的なつながりが日頃からあるやつ。そういうのが一番重要だと思います。

あと、市長とかの影響力のある立場の人が声を出してそのようなもの(防災対策)を、本当に気持ちを持って取り組まれていたら信頼しやすいです。自分も参加してみようという気になると思います。

イベントなどの参加は、友人に誘われたらハードルが下がりますね
そういう場を通して、新しい方と人として仲良くなれたら、その時だけじゃない関係性が生まれてくるのでいくのではないかと思います。そういう繋がりがあると何かあった時に相談できるので、安心材料になるかなと思います

04.車椅子の方の避難支援

一緒に避難する際の注意点

車椅子の階段での介助方法出典:吉川福祉専門学校

  1. 車椅子の急な発進や停止は事故の原因となります。動かす際には「車椅子を押します」などの声かけを行なってください。
  2. 階段の上り下りの時は3〜4人で車椅子ごと持ち上げてゆっくりと移動するようにしましょう。高くもちあげすぎると危険ですので注意しましょう。
  3. 車椅子が使えない場合は、担架を使ったり、背負ったりしましょう。担架のかわりに毛布やシーツを使うこともできます。

05.まとめ

  • 障がい者の避難に関して、必要な人をカバーできていない上に支援者の確保ができないという二重の問題がある
  • 被災をした時に障がい者の方がどこに避難をしたらいいかなどの情報はしっかりと認知されてない
  • 「車椅子の人」とひとまとめにするのではなく一個人として向き合うことが大切。

 

災害時だけでなく、普段からも車椅子で困っている方がいたら「なにかお手伝いしましょうか」と一声かけてみてください。

小さな声かけから地域の繋がりや助け合いの輪が広がり、万が一の時により多くの命を守ることができます。

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