最終更新日:2022/09/02 (公開日:2020/01/23)
ローリングストック×阪大生|大学生が災害食でフルコース作ってみたら映え過ぎた。
~防災を学ぼう~大阪大学連載記事5本目!
エコ・ライス新潟さんへの取材(前編・後編)を通じて、多くの人々の“命”を救う“災害食(非常食)”と変わりゆく備蓄の考え方について多くのことを学びました!
普段から少し多めに食材や、加工品を買い、消費と買い足しを繰り返すことで常に一定量の食料を家に備蓄する新しい考え方“ローリングストック”の重要性がわかった一方で、
「なんだか、消費方法がイメージしにくい…」ということで!
今回は、“ローリングストック”を実践するべく、
阪大生4人が実際に災害食を使って、フルコースづくりに挑戦しました!!
目次
挑戦するメニュー
今回挑戦するのは
- 鶏そぼろと枝豆のゼリー寄せ
- 牛肉すきやきのオムレツ
- ライスコロッケ(カレー味、トマト味)
- ビーフストロガノフ
- いちごのティラミス
全5品!
「おぢや震災ミュージアム そなえ館」を訪れた際に購入した災害食と、日用品の中でローリングストックできる食材、生鮮食品を組み合わせてフルコースを作っていきます!
瀬古「私たちが買ってきた災害食は、もちろんのことだけど、ほかにも備蓄できるものって何があるんだろう…常温で6か月以上の賞味期限があるもの、並べてみようか!」
今回使用する材料のうち日本災害食学会が定める「常温で6か月以上の賞味期限がある」食品はこれ!
吉本「トマトジュースとか冷蔵ケースで売ってたけどいけるのかな?」
大崎「(裏面を見て)あ、常温保存できるって書いてあるからいけるね」
妻鹿「パン粉とかも未開封ならいける!意外!!たしかによく考えたら冷蔵庫で保存しなくても大丈夫な食品ですしね」
瀬古「改めて見てみると結構、ローリングストックできるものって多そうだね。帰ったら家にある食材見てみようかな。」
未開封であれば、身近な食品でも“災害食”として備蓄できるものが多いということがわかったところで、次は、おいしく食べる方法を追求していこうかと思います!
それではレッツ クッキング!
クッキング編
とりそぼろと枝豆のゼリー寄せ(4人分)
- 枝豆(皮付きで300g)
- レスキューフーズとりそぼろ(1缶)
- ゼラチン(7g)
- 鶏ガラスープの素(小さじ半分)
- コンソメ(小さじ1)
①冷凍枝豆を解凍して、皮をむく。今回は茶色がかっていたので、色味がきれいになるように薄皮もむきました!
②水120mlと枝豆ととりそぼろ缶を入れ、火にかけ煮立たせる
③沸騰したら、調味料をいれ混ぜる
④ゼラチンを入れ、混ざったら火を止めて、器に移す
⑤粗熱が取れたら、冷蔵庫にいれ1時間~1時間半冷やして出来上がり
牛すきやきのオムレツ(2人分)
- レスキューフーズ牛肉すきやき(1缶)
- 卵(3つ)
- 牛乳(大さじ3)
- たまねぎ(4分の1)
- バター(適量)
- 塩コショウ(適量)
①たまねぎを薄切りして、バターをひいたフライパンで炒める
②たまねぎがしんなりとしてきたら、牛肉すきやきを入れ水気がなくなるまで炒める
③水気がなくなったら、火を止めお皿に移す
④卵3つを深めの器で溶き、牛乳と塩コショウを加え混ぜる
⑤フライパンを中火で熱し、バターをひく
⑥バターが解けたら、卵を流し入れる
⑦卵が固まってきたら、③の具材を卵で包みオムレツの形になったら完成
ライスコロッケ・トマト味(4人分)
- トマトジュース(200ml)
- ベーコン(30g程度)
- 塩コショウ(適量)
- コンソメ粉末(小さじ1)
★
- はんぶん米(1袋)
- パン粉(適量)
- 小麦粉(適量)
- 卵(適量)
- チーズ(お好みで適量)
ライスコロッケ・カレー味(4人分)
- レスキューフーズビーフカレー(1袋)
※プラストマト味の★以下と同量
①ベーコンを細かく切る
②耐熱皿にはんぶん米、ベーコン、トマトジュースを入れ、塩コショウとコンソメで味をととのえる
<カレー味>
①耐熱皿にはんぶん米、ビーフカレーを入れる
②水70mlを①に加える
<トマト味・カレー味共通>
③ラップを軽くかけ、電子レンジ500wで10分間加熱する
④レンジから取り出したら、スプーンで全体を混ぜ合わせる(お米が固い場合は水を10mlずつ足して再度1分ずつ加熱する)
トマト味
カレー味
⑤それぞれ4~6等分に分け、ラップで平らに伸ばす
⑥中央にチーズをのせ、ラップで丸める
⑦丸めたお米に、小麦粉、溶いた卵液、パン粉の順で衣をつける
⑧180℃の油で揚げる
⑨表面がこんがりしてきたら出来上がり。お好みでオーロラソースをかけてもよし
揚げ物をはじめて作って嬉しそうな妻鹿
切ってみるとチーズがトロリ。おいしそう。
ビーフストロガノフ(1人分)
- レスキューフーズ牛丼の素(1袋)
- 牛乳(50ml)
- 生クリーム(20ml)
- サワークリーム(大さじ1)
- マッシュルーム(25~50g程度)
- 水溶き片栗粉(小さじ1 片栗粉:水=1:1)
- 黒こしょう(適量)
- みんなのごはん(1袋)
⓪みんなごはんに規定量のお湯を加え、ごはんの準備をする
①お鍋に牛丼の素、マッシュルーム、牛乳をいれ、ふつふつとするまであたためる
②生クリームを加え、数分煮立たせる
③サワークリームを混ぜ合わせ、馴染んだら水溶き片栗粉でとろみをつける
④お好みで黒コショウふりかけ、盛り付けて完成!
いちごのティラミス(2~3人前)
- ライスクッキーいちご味(1箱)
- いちご(1パック)
- マスカルポーネチーズ(200g)
- 生クリーム(100ml)
- インスタントコーヒー(大さじ1)
- ココアパウダー(適量)
- 砂糖(50g)
- レモン汁(大さじ2分の1)
①いちごはへたを取り、5~7粒程(飾り用)をとりわけて縦2等分に切り、残り(ソース用)は1口大に切る
②耐熱容器にいちご(ソース用)、佐藤、レモン汁を入れて、ふんわりとラップをし、600wのレンジで2分30秒加熱し、混ぜて粗熱をとる。チーズクリーム用に大さじ4取り分ける。
③ボウルにコーヒー、お湯50mlを入れよく混ぜコーヒーソースを作る。
④ ②と③で作ったクッキーをお皿に並べコーヒーソースといちごソースをそれぞれかけて浸す。水分がしみ込んだら、スプーンで軽くつぶす(今回は両方ともクッキーを浸しましたが、層にしたときに混ざってうまく層にならなったのでコーヒーソースはカステラや、スポンジ等を浸すのをおすすめします!)
⑤生クリーム、砂糖をボウルにいれ、ツノが立つまで泡立てる。泡立ったら、マスカルポーネチーズを加えて、混ぜ合わせる
⑥いちごソース(チーズクリーム用)を⑤に加え、混ぜ合わせる
⑦器を用意し、④のコーヒーソース⇒⑥のいちごチーズクリーム⇒④のいちごソース⇒チーズクリームの順に層になるよう盛り付けていく。
(失敗バージョン コーヒーソースよりチーズクリームのほうが重く、層にならない)
(リベンジバージョン 急遽コーヒーソースに瀬古が持っていたベルギーワッフルを浸してやり直し。今度はうまく層になった)
⑧飾りのいちごを盛り付け、冷蔵庫で1時間冷やす
⑨仕上げにココアパウダーをふり、いちごをのせて完成!
出来上がった、5品をサラダと一緒に盛り付けて完成!!
実食編
見映えよく盛り付けができたところで、実食!
妻鹿「す、すごい…めちゃきれい!!」
吉本「めちゃいい匂いしてるな!はよ、たべよう!」
~枝豆ととりそぼろのゼリー寄せ~
吉本「ゼリー寄せから食べてみようか。色味きれいだね」
妻鹿「僕が薄皮むきまくったからですね」
大崎「ゼリーがぷるぷるしてる!」
瀬古「おいしい!予想より、和風っぽい味だね。とりそぼろが和風の味付けだからかな?お出汁とか足して、和風に寄せてもおいしかったかもね!」
~牛肉すきやきのオムレツ~
大崎「次はオムレツいってみる??」
瀬古「包むときに失敗してぐちゃってなったわりには、最後の盛り付け盛り返したでしょ」
妻鹿「スクランブルエッ…オムレツ、ふっくらしていておいしいですね」
吉本「すごいちゃんと、すきやきとオムレツがマッチしてるな。まあ見た目は置いといて(笑)味は確か」
瀬古「大変失礼いたしました…(笑)すきやき味、万能だね。ほかの料理にしても合わせやすそう!」
~ライスコロッケ トマト味/カレー味~
瀬古「チーズがとろけているうちにライスコロッケもいこう!」
大崎「え、これおいしい!ふつうにめちゃ美味しい!(笑)外がぱりぱりでなか(のチーズ)がとろとろ~」
瀬古「ほんとだ!おいしい! お米の硬さが心配だったけどちょうどいい感じだね。カレー味は安定でいい味加減だし、トマト味もトマトジュースとは思えない深み!」
吉本「本当においしいな!オーロラソースもあってる!子供も好きそうな味でグッド」
妻鹿「ヒットですね。揚げ物作るときに、小麦粉→卵→パン粉の順につけるって経験値もたまったし!(笑)」
瀬古「どういう感想なん(笑)」
(みんなで試食 ほおばりすぎて口がパンパン)
~ビーフストロガノフ~
吉本「ビーフストロガノフも行こうぜ。俺頑張って作ったし!(笑)」
大崎「すごい、おいしそう!めちゃ映えてる」
妻鹿「災害食の牛丼の旨味とサワークリームの酸味がベストマッチですね!」
吉本「(ひとくち食べて)うまっ!かつてこれほどまでにごはんに合う料理があっただろうか…自分の舌を疑うくらいコメが進むわ(笑)甘味があって、食べ応えある、まさに主役やな。」
瀬古「絶賛じゃん!食べよ!(ひとくち食べて)わ~おいしいね!これ本当に牛丼の素?いい意味で牛丼の影がなくてひとつの料理完成されてる!すごいね」
妻鹿「どんどんいけますね」
~いちごのティラミス~
妻鹿「おなかもいっぱいになってきたし…おまちかねの、ティラミスいいですか?」
瀬古「食べよう!見るからにおいしそう」
吉本「層がきれいに仕上がってて、ルックス最高だな」
妻鹿「美味しい。うまい。妙味。絶品。乙な味。ボーノ。デリシャス。瀬古さん、層をつくる天才ですね」
瀬古「ありがとう(笑) いちごのソースとクッキーの層が甘味と酸味がちょうどよくていいね!ライスクッキーだけ味見したときもおいしかったけど、酸味が増しててあってる!」
吉本「うまい!ちょうどいい!でもワッフルじゃなくて、コーンフレーク使いたかったなぁ…トラの絵が描いてる奴!!!」
3人「(すべっ)・・・・・・」
瀬古「で、大崎の感想はどう?」
大崎「見た目がきれいなのは、もちろんだけど、コーヒーとクッキーを合わせた層が若干さくさくしていて、ほどよい苦みがあっておいしい!今度また作りたい!」
フルコース作ってみた!を終えて
今回は、災害食をつかったフルコースづくりに初めてチャレンジしました!チャレンジを終えてメンバーの中で特に人気だったメニューは、ライスコロッケ、ビーフストロガノフ、いちごのティラミスです!
どれも、もう一度食べたくなる出来上がりであったとともに、災害食の中身が実際にどのようなものか見て、調理し、口にしたことで災害時における作る工程から食べるところまでの一連の流れが想像しやすくなるという利点もありました!
災害食として販売されているものは、食卓の定番が多いこともあって、アレンジレシピがインターネット上でも多く紹介されており、アレンジしやすい食材ばかりだったので、同じ味ばかり買って備蓄したとしても、さまざまな味が楽しめると思います。
(スーパーで買い出しの様子 冷蔵コーナーで売られていても常温保存が可能なものもあった)
実際に買い出しをしてみると、日常生活で使っている食材の中に、災害食としてローリングストックができそうな食材は、たくさんあることがわかりました。
ただ、「常温で賞味期限が半年以上ある」食材であったとしても、実際に災害が起きた時に食べることができない可能性があるため注意が必要です!
ローリングストックにおいて注意したいこと
・アレンジや調理段階で加熱処理が必ず必要なもの
・開封後に冷蔵保存や早期の消費が必要となるもの…調味料等は小分けで使い切りタイプのものがおすすめ
・内部障がい等の理由で食事制限が必要な場合自身が口にできるかどうかの確認
日ごろから備蓄している食品を消費することで味を知り、アレンジなど試してみることで、災害時でも食べられるかどうかを確認することができます。
まとめ
今回は、平常時においしく災害食を食べることを想定してフルコースづくりに挑戦しましたが、ただ美味しい食事をとるだけではなく、調味料は小分けを備蓄した方がよいことや、味の特性など災害時に役立つような新たな気づきを得ることができました!
取り扱う食材や、それぞれの好みなどによって得られる気づきも変わってくるはずです。
災害大国、日本において災害に巻き込まれないという保証はどこにもありません。
自分自身だけではなくまわりの大切なひとたちを守るために、いまできることのひとつに、”備蓄”があるのではないでしょうか。
いざというときのために、ローリングストックに取り掛かることはもちろんのこと、ローリングストックの一環として食材をアレンジして消費してみてはいかがですか?
(わいわい楽しくクッキングしたあと お片付けも全員で)