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最終更新日:2023/07/07 (公開日:2018/09/07)

【沖縄県】自然災害の種類&対策を解説!

地震、津波、台風、土砂災害…。「災害大国」ともいわれる日本列島では、いつどこで災害に遭遇してもおかしくありません。
災害への備えは、地域ごとの地理的特徴と社会特性を知り、災害の種類ごとにどんな影響がおきるのかを正確に把握するところからスタートします。
ここでは、沖縄県における地震・津波災害、風水害、土砂災害の特徴を整理し、それぞれの災害についての対策のポイントを紹介します。

地震災害には、陸域の浅いところで活断層が活動することにより発生する直下型の地震と、海域のプレートが跳ね上がって発生する海溝型の地震とがあります。
沖縄県に影響する直下型地震と海溝型地震について、発生のしやすさと起こりうる被害想定についてみていきましょう。

直下型地震と津波の被害予想

沖縄県における直下型地震には、本島周辺では、沖縄本島南部断層系、伊祖断層、石川-具志川断層系、沖縄本島南部スラブ内、宮古島断層などがあります。
このうち沖縄本島中南部に影響が大きく、全体としても被害が大きくなると予測されているのが沖縄本島南部スラブ内地震です。

震度分布(揺れやすさ)

直下型の地震は比較的浅いところで発生するため、マグニチュードは小さめでも大きな揺れになり、建物倒壊などの危険も大きくなります。
また、崩れた建物から出火し、広範囲で大規模な火災が起きると予測されています。

沖縄本島南部スラブ内地震が発生した場合の揺れやすさを表す震度分布図は以下のとおりです。

沖縄市など市街地で最大震度6強、県内のかなりの部分が震度6弱から5強の強い揺れに見舞われると想定されています。

沖縄本島南部スラブ内地震の震度分布

液状化

大きな揺れにより地盤が液状化を起こすと、水道管などの地中のパイプが破損する被害が発生します。

沖縄本島南部スラブ内地震が発生した場合、液状化により那覇市を中心に全壊約2900棟、半壊約3600棟の建物被害が発生すると予想されています。

建物倒壊、地震火災被害

沖縄本島南部スラブ内地震が発生した場合、揺れにより那覇市を中心に全壊約2万9000棟、半壊約5万8000棟棟の建物被害が発生すると予想されています。

その他、土砂災害により約350棟が被害にあうほか、地震火災により約450棟が消失すると想定されています。

人的被害

建物の倒壊や火災、斜面崩壊などにより、おおぜいの死者や負傷者が発生します。

沖縄本島南部スラブ内地震では、死者数が400人近く、負傷者が1万5000人以上、救助を要する自力脱出困難舎が1万2000人、避難者は最大で8万8000人発生すると予測されています。

インフラ被害

大きな揺れにより、地中に埋められた管渠が損傷し、上下水道、電力、通信などのインフラ施設にも大きな被害が発生します。

また、道路被害、港湾や空港などの公共施設の被害も想定され、移動手段にも支障が出ます。

市民生活への影響がもっとも大きくなるのは与那国諸島周辺の地震で、以下のような大規模なライフライン停止が予測されています。

  • 停電など:12万8000軒
  • 断水:約64万人
  • 情報通信:約8万7000回線

海溝型地震・津波の被害予想

諸島を抱え、海に囲まれた沖縄県では、海溝型の地震災害の影響が大きくなります。県内に大きく被害を及ぼす可能性のある海溝型地震は、沖縄本島南東沖地震3連動と想定されています。

震度分布(揺れやすさ)

沖縄県でもっとも大きな影響をあたえる沖縄本島南東沖3連動地震の揺れやすさを表す震度分布図は以下のとおりです。

沖縄南東沖3連動地震の震度分布

沖縄市本島全域で震度6強、本島内の全域が震度5強以上の非常に強い揺れに見舞われると想定されています。

液状化

大きな揺れにより地盤が液状化を起こすと、水道管などの地中のパイプが破損する被害が発生します。

沖縄本島南東沖3連動地震時における液状化の被害は、全壊約3000棟、半壊約2600棟近くになると予想されます。

建物倒壊、地震火災被害

沖縄本島南東沖3連動地震により、沖縄県では揺れによる被害は全壊1万9000棟以上、半壊4万4000棟以上になると想定されています。

その他、土砂災害による被害は全壊約330棟、半壊約770棟、火災による消失は約560棟と想定されています。

津波による建物被害は、全壊3万5000棟以上、半壊2万2000棟以上にのぼると予測されています。

人的被害

沖縄本島南東沖3連動地震による人的被害は、建物の倒壊や火災、土砂災害、津波により、建物倒壊では死者約210人、負傷者約1万人、土砂災害では死者20人、負傷者35人、ブロック塀の崩落で死者30人、負傷者約1100人の被害が発生すると予測されています。

その他建物倒壊による閉じ込め被害で救助を要する人が約7000人、津波被害に伴う要救護者約3万4000人、要捜索者11万6000人、避難者は最大で14万1000人発生するとされています。

インフラ被害

大きな揺れや津波により、上下水道、電力、通信などのインフラ施設にも大きな被害が発生します。

また、道路被害、港湾や空港などの公共施設の被害も想定され、移動手段にも支障が出ます。

沖縄本島南東沖3連動地震では、以下のような大規模なライフライン停止が予測されています。

  • 停電など:22万3000軒
  • 断水:77万6000人
  • 情報通信:約13万8000回線

津波の高さ、到達時間

海溝型の地震でもっとも顕著となるのは津波による被害です。

沖縄県において津波の高さがもっとも大きいのは東村で、約15.4mに達するとされています。また、本島でもっとも早く津波が到達するのは糸満市で、揺れが発生してから最速9分で津波が到達するとされています。

津波はものすごい量の海水が壁のようになり、桁違いの圧力であらゆるものを一気に飲み込んで、まきこまれたガレキと一緒になってすべてを押し流します。2mの津波で木造家屋は完全に破壊されてしまうといわれています。

沖縄県における風水害

沖縄県では地理的な影響から毎年多くの台風の影響を受けています。
年間平均27個が発生する台風のうち、沖縄県には平均7.6個が接近します。
近年の大型台風では、2003(平成15)年9月の台風14号が歴代4位となる最大瞬間風速74.1m/sを記録。
ガラス破損等による多くの負傷者が出たほか、多数の電柱が倒壊するなどの大きな被害が出ました。
沖縄の災害の原因のほとんどは台風による暴風で、台風と沖縄県民の暮らしは密接につながっているといえます。
来ると大変な台風ですが、一方で台風は大量の雨を降らせ、水を運んでくれる存在でもあります。
海に囲まれ面積の小さな島々にとっては、台風が来なければ水不足になります。台風とのつきあいは長く、最も発生数の多い8月などではおなじみの恒例行事となっています。
しかし、温暖化の影響により年々台風の威力も大きくなっているという専門家もいます。
決して侮らず、上手につきあわなければならない存在だといえます。

沖縄県における土砂災害

大雨による土砂災害の発生にも注意が必要です。
土砂災害は、がけ崩れ、土石流、地すべりの順に発生しやすくなっています。

沖縄県における災害対策のポイント

沖縄県では防災に特化したホームページも運営しています。

トップページではいち早く沖縄県下の災害情報や避難指示などがひとめで確認できるようになっています。スマートフォン以外のフィーチャーフォン用サイトもありますので、日ごろからブックマークしておくとよいでしょう。

ハイサイ!防災で~びるでは公式ツイッターやフェイスブックページの開設もしています。日ごろからSNSで防災情報をチェックすることでいざというときの備えや防災意識の向上につながります。

沖縄県情報ポータル
ハイサイ!防災で~びる

フィーチャーフォン用

①地震・津波への対策

地震・津波は突然発生し、破壊力が非常に大きいため、何をおいても命を守るための対策をたてておくようにしましょう。代表的なのは揺れを抑える対策です。自治体によって耐震診断などに助成金を出している場合もあるので、問い合わせてみて積極的に活用しましょう。

  • 耐震補強:壁や屋根、天井、照明器具など
  • 家具や家電製品の固定、棚の中身の飛び出し対策、ガラス飛散防止対策

また、大規模な地震の場合はどんなに備えていても必ず被害が発生すると覚悟して、長期間の被災生活を想定した備えをしておくことも重要です。

  • 停電対策:バッテリーや蓄電器、簡易発電機などの準備
  • 断水対策:飲水や生活用水の確保
  • 下水対策:下水道損傷に備えた簡易トイレの確保
  • 備蓄対策:食料、生活必需品の備蓄
  • 避難対策:津波や大規模火災時の避難場所、避難方法の確認、非常持出品の整理

特に沖縄県の場合、与那国諸島周辺の地震では最短1分で津波が到達し、最大で20mと、短時間に大規模な津波が襲来する可能性がとても高くなります。

津波からの避難は一刻を争います。ふだんから高台や津波避難目標地点など、津波から逃れるための場所を確認し、いざというときにすばやく逃げることができるよう、避難訓練にも参加しておきましょう。

②風水害への対策

風水害の場合は、気象庁からあらかじめ予報が出されるため、できるだけ早く正確な情報をつかんで、災害が発生する前に避難できるようにすることがもっとも重要なポイントとなります。

ふだんから気象関係のアプリやホームページにアクセスして、どんな情報がどこにあるか、どのくらいの状態になったら避難などの対応が必要かなど、気象情報を正しく読み取れるようになっておきましょう。

③土砂災害への対策

土砂災害は前触れなく発生します。大雨で地盤が緩んでいるときに起きやすいですが、はっきりとした兆候がみつけにくいことも多いため、崩れることに気づいてからでは助かりません。

土砂災害の場合は、土地の危険性についてあらかじめ知っておくことがもっとも重要なポイントになります。

土砂災害の危険性については、自治体が発表している土砂災害危険度情報(土砂災害ハザードマップなど)が参考になります。ホームページで公開されていますので、あらかじめ確認しておきましょう。

また、大雨のときには、気象庁と都道府県から土砂災害警戒情報や土砂災害に関する避難情報も発表されますので、該当する地域にいる場合はできるだけ早く避難してください。

まとめ

災害はいつどこで発生するかわかりませんが、むやみやたらと恐れて根拠のない都市伝説に引っかからないようにしましょう。

一人ひとりが災害に対する正しい知識を身につけ、「きちんと怖がる」ことが、災害と向き合う第一歩です。

「まさか自分が」とならないよう、良質な情報を集め、できることから備える行動を起こしましょう。

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