ホーム » インタビュー » 入れすぎダメ!家庭の非常時、本当に必要なものは…? 大阪市北区の非常持出袋づくりに潜入!

最終更新日:2022/10/17 (公開日:2019/09/27)

入れすぎダメ!家庭の非常時、本当に必要なものは…? 大阪市北区の非常持出袋づくりに潜入!

SAIGAI JOURNALの新コーナー「学び合おう、わたしの街の防災」、始まります。このコーナーでは、さまざまな地域の防災の取り組みについて取材し、皆様にお伝えしていきます。各地の防災やボランティアの取り組みの参考になれれば幸いです。

最初にとりあげさせていただくのは“大阪市北区”。北区では昨年、“「地震」が起きても「自信」をもって「自身」を守る”をキーワードに、「大阪北区ジシン本」を発刊しました。さらに、昨年から『大阪北区ジシン本』を基に防災について学ぶ講座を各所で開催しています。今回は北区民センター第1・2会議室で行われた「非常持出袋づくり」に潜入してきました!

今回、定員を超える予約が入ったこちらの講座。やはり昨年の大阪北部地震の影響でしょうか。大阪市北区に関わりのある方々(在住・在勤・在学)が、約50人集まりました。

(主に大阪市北区在住の方が集まりました)

 

初めに、「大阪北区ジシン本」をもとに、北区の災害の特徴や、対策の基本を学びます。ちなみに、こちらの動画は下記URLからも視聴が可能です。
https://www.youtube.com/watch?time_continue=4&v=DR48TvySIGo

(これから作る非常持出袋についての基本を確認)

 

そこからまずは、自分の家や家族構成について確認します。家の場所はどこで、何階建てなのか、何人構成か、配慮が必要な家族はいるのか…。一人ひとり、置かれる状況は違います。

(ご友人と思われる方とグループで参加している方も)

 

そして、約60種の持ち出し品リストから自分が必要だと思うものを選びます。ピックアップされているのは、現金、小銭、ヘルメット、トイレットペーパーなどどれも必需品と思われるものばかり。

(右半分が持ち出し品リスト)

(自分の家、家族と災害について、しっかり向き合う時間)

 

次は、選んだ持ち出し品リストをもとに、実際に非常持出袋に詰めてみます。グループごとに分かれ、なごやかに作業が始まりました。

(用意したい非常持出袋は非常に小さいです)

(この中から皆さんはどれを選ぶのでしょうか…)

 

多くの方が30個以上選んでおり「とりあえず必要かなと思って選んだけど全然入らない!」と困った声をあげていました。それを見かねて講師の皆さんが「スマートフォンにラジオが聴けるアプリを入れておくと、ラジオはいらないかもしれませんね」など代用の案も提案し、それぞれが「非常時、一昼夜過ごすために本当に必要なものは何なのか」ということに向き合っている様子が見られました。

(どれを入れるか真剣に悩んでいる様子)

(詰めてみたら「重すぎます(笑)」)

終わった後、それぞれのチームから1人ずつ感想を発表しました。体験した方の1人は、「非常持出袋は、いったん一昼夜の命のことを優先的に考えて詰め込むもの。最初は減らすのが難しかったが、“日常に必要なもの”とは別だと考えたら、いるものといらないものが分けられた。これとは別で、防災リュックも必要だなと感じた。家ではできていなかったので良い機会でした」と笑顔で話しました。

(「本当に必要なものは何か」ということに向き合えた様子でした)

非常持出袋で必要なものは、人それぞれ。自分たちが生き抜くための「優先順位は何か」ということに、真摯に向き合えたようです。大阪市北区ではこのほか、簡易トイレづくりや自宅の安全点検などの講座を行なってきました。今後は「7日を生き抜く備蓄」や「災害時のスマートフォン活用法」などの講座を行なっていく予定です。大阪市北区は高層マンションもあれば昔から立ち並ぶ家もあり、地域によって混在しています。昔に比べて地域とのつながりが薄れてきている中、こういった地域の催し物で「顔見知り」を一人でも多く作ることが、いざという時の助けになりますね。

昨年の地震から、防災意識の高まりが見られる大阪市北区。今後の防災の取り組みに、注目です。

大阪市北区の防災の取り組み↓
https://jishinbook.net/

  • \ あなたの災害リスクがわかります! /

    詳細を確認する