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最終更新日:2020/01/31 (公開日:2020/01/27)

レスキューロボットのプロに命を救う技術を聞いてきた|防災×技術×阪大生

んにちは!初めまして、私は大阪大学経済学部中川ゼミ代表の吉本です。

今回からこちらの連載“防災テクノロジー2.0”にて、私たちが実際に足を運び取材した「“生きた”防災テクノロジー」を全6記事にて皆様にご紹介できればと思います。

近年多発する多くの自然災害。予測不可能な状況の中で、私たちは何をすべきなのでしょうか。

そして災害時に私たちを助けてくれる防災技術の数々とは—。

災害ジャーナル学生連載、ついにスタート!

最新ロボット技術と救出

震、津波、台風、土砂災害など、近年日本では様々な「災害」が発生しています。

 

有事の際どのように行動すべきなのか。
本メディア、災害ジャーナルではその「対策」や「避難」について発信してきましたが、読者の皆さんは「救出」についてどれくらい知っていますか。

今回は被災者の命を守る「救出」について現役大学生4人が専門家に話を聞いてきました。

最新ロボット技術と共にご紹介します!

1.災害は日ごろの検査で防ぐ。減災ドローン。

株式会社佐竹技研

株式会社佐竹技研は、ドローンや無人地上車両の研究・開発・販売などをしている香川県の会社です。

壁に張り付く長時間稼働可能のドローン

上記のドローンはインフラ点検を想定して開発されており、大容量バッテリーを使ったドローン有線給電システムのおかげで基本30分程度であるドローンの飛行時間を1〜2時間まで延長することを可能にしました。

また、他社とは違う強明度ライトを搭載することで、暗闇でも十分作業・撮影が可能に。

さらに、無人地上車両は少々の水場でも物ともせず、有毒ガスのある場所でも作業可能にしています。

これらの技術で、災害地や点検が必要な場所で特殊な乗り物を使ったり、足場を組んで作業しなくても済むようになりました。
また安定した操作性から、手軽・安全に作業が行えるようにも!

まさにテクノロジーの知見を活かした防災イノベーション!
地方に根付く知見が、技術の発展を支えているんですね。

2.危険な土地で重機を遠隔操作。リスクを最小限に

株式会社フジタ

株式会社フジタは、ダイワハウスグループの一員として”高”環境づくりを行うゼネコン企業です。
4足歩行ロボットなども生産している企業。

今回は改良型遠隔操作ロボット(ロボQⅡ)を見学させていただきました。

ロボQⅡは、重機に取り付けるだけで遠隔操作が可能になるという画期的な製品です。

幅広い重機に対応していて、宅急便で部品を被災地に迅速に送れることもメリットの一つ。1〜2時間あれば十分組み立てることができるという仕様も素晴らしく、一刻を争う救出復旧が求められる被災地で活躍する可能性に満ちた技術です。

国からの要請で作成しているため、量産はまだですが無人化を進める技術の一片を見たような気がしました。

3.災害VRで災害に対する危機意識をもっと。

神戸市(消防局・経済観光庁)

神戸市消防局では、阪神淡路大震災を経験し、防災意識が高いという背景もあり、防災イベントを多数開催しています。

当日の防災展覧会では株式会社理経や広島大学と協働し、開発した土砂災害をリアルに体験するVRを展示されていました。

土砂災害を体験できるだけでなく、仕組みも解説していただいたため非常にわかりやすかったです。
VRは想像以上にリアルで、実際に怖さを体験することは準備や心構えを整えることができるので貴重な経験でした。

4.消防器具の検定シェア日本一。火の恐怖から命を守る

日本消防検定協会

日本消防検定協会は、火災から人命及び財産を安全に保護するための消防用機械器具(消火器や火災報知器など)の性能を確保するため、活動を行なっています。

簡単に言えば、消防器具の実用基準を作り検査をする企業です。
具体的には検定業務、受託評価業務、性能評価業務、調査・研究業務、国際業務などで活躍しています。

住宅用火災報知器の検査を見ていく中で検査に通る商品は精密であることがわかりました。目に見えない煙でも一定の基準を超えると感知し、教えてくれます。
例えば、1つの火災報知器が煙を感知したら、家中の火災報知器がなる連動型火災報知器、目が不自由な人でも火災に気づける光警報装置。

緊急時に人命を守るため、「火災を人に知らせる技術」の発展を支える企業でした。

5.ロボコン当日の様子をレポート

レスキューロボットコンテスト/2019年8月10日土曜日 10:00~17:30

レスキューロボットコンテストとは

阪神・淡路大震災をきっかけとしたレスキューを題材とするロボットコンテストです。
阪神・淡路大震災をきっかけとした未来の救命救助につながるユニークなロボット競技会で、毎年全国で予選、そして神戸で本戦が行われており、今年で19回目となりました。

その目的は単に技術の見せ合いではなく、「レスキューロボットを作りたい」「防災活動で役に立ちたい」という学生が活躍できるように「やさしさ」をテーマとする科学技術のすそ野を広げることにあります。参加チーム、観客が一体となりレスキューに対して考える場、そんな空間を提供できるコンテスト。それがレスキューロボットコンテストです。

↓ロボコンの観戦。
予選を勝ち抜いた14チームが試合を行い、2日間かけて順位が決められます。
ロボコンの開催された背景や理念を具現化した素晴らしいコンテストで試合の様子には終始目が離せませんでした。

まとめ.防災とそれを支える技術について、これからの展望

防災や減災とそれを支える日本の技術はなかなか世間では注目されにくいですが、技術で救助や復興を支える企業や技術者の方々は日々新しい製品の開発に取り組まれています。そこで生まれた製品は間接的に私たちの命を守る重要な役割を担っています。こうした技術がもっと一般的になり、みんなが自分事として災害をとらえることが出来れば、災害を防ぐことはできなくとも被害を最小限に抑えることは可能だと思いました。

【次回予告】
次回は上記の佐竹技研さんに最新のドローン技術についてより詳しいお話を伺ってきます!こうご期待!

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