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最終更新日:2022/09/03 (公開日:2018/12/25)

地震の防災・対策ポイント

地震防災ポイント表紙
防災博士
やあ、諸君。私は防災博士だ。 大きな災害にあったことのない人の多くは、起こった時に「ああ…準備しとけばよかった…」と後悔するけれども なかなか何もない日常で「よし!防災対策をしよう!」とはならないのが現実だ。 だから君が、今日この記事を読んでいることはとても幸運なことなんだ。 では、地震にが起こった時に後悔しないために、正しい防災準備や知識を君たちに教えていこう!   さて、話を戻すと、地震が他の災害と違ってもっとも恐ろしい点は、 発生する直前まで予測できないということだ。 じゃあまずは地震が起こる前に、何を準備すべきかを一緒に確認しよう。

01. 地震が起こるまえの準備

身の回りの点検

防災博士
地震が起こった瞬間は、寝ている可能性もあるわけだ。 その時に突然上から家具が降ってきた場合を考えて、まずは寝室のレイアウトを点検しよう。
すぐにできる家具配置のポイント
  1. できるだけ高い家具を置かない
  2. 高い家具を置かざるをえない時はベッドから離して置く
  3. 棚の中身は下の方が重いもの(本や食器)になるようにする
  4. ベットの上にエアコンや照明を配置しないようにする

上記のポイントをしっかり押さえていれば、寝ている間に地震があった時に圧死する自体を避けることができます。 また、高い家具というのは高さ120cm以上をさし、成人男性のだいたい胸あたりの高さになっています。

早朝の時間帯に起こった阪神・淡路大震災の際に多かった死因は、家具による圧死や窒息死です。 寝室に置いてあるタンスの下敷きになってそのまま動けなくなってしまったというケースも多く見られました。

家具の固定

防災博士
配置の工夫ができたら、次は家具の固定だね。 壁に穴を開けなくても簡単にしっかり固定できるグッズを二つ紹介するよ。
倒れやすいテレビや、どうしても動かせない背の高い家具に対しては固定して倒れないようにするのが最も安全な方法です。 もっとも強力な固定手段はL字型金具ですが、壁に穴があいてしまうのと一度固定した場合は家具を動かせない、設置方法が難しいというようなデメリットから敬遠されがちです。 壁に傷をつけずに設置も簡単ということで、最も人気なのは転倒防止用の突っ張り棒です。

また、倒れたり横揺れ地震の場合はソファ側に飛んでくる可能性のあるテレビはこのような商品で固定しておくことが大切です。
基本的にこの二つの商品で、倒れた時に危険なテレビと高い家具をしっかりと固定することができます。

防災リュックの用意

防災博士
さて、家具の固定ができたら、次はいつでも持ち出せる防災リュックの確認だ。 避難所に行けば最低限のものはあるかもしれないけど、支援物資が届くのに時間がかかる可能性もあるね。 最低限必要なものじゃなくても、個人的には欲しいというものは誰しもあるけど、緊急時は心理的に言いにくくなる。 自分が必要なものは最低限はもっておこう。 地震に限らず使える防災リュックの準備はここから確認しよう。

【保存版】防災リュックの作り方!手作りがおすすめな理由&リスト付

2018.12.30

02. 地震発生時

防災博士
さて、これで準備は大丈夫だね。 じゃあもしも君がいるところで、今大地震が起こったらどうするかな? どうやったら冷静に安全な状態でいれるのか、その瞬間に頼りになるのは「正しい知識」だ。 正しい知識によって余裕が生まれ、パニックになったり犯罪に巻き込まれたりすることを防ぐことができるよ。

発生した直後の正しい行動○×クイズ!

防災博士
それでは早速、もし「今」地震が起こったときに正しい対応ができるかの知識を確認してみよう!
Q1.地震が発生したその瞬間、出口を確保した
× まず最初にすることは自分の身を守ることです(自助)。 火を消したり、周りの誰かを助けようとせずにまずは自分の命を守りましょう。 揺れが治ってから出口の確保や消火活動などに取り組むようにしてください。最近では、揺れを感じるとガスが自動で止まるものも多くなってきてますので、その時はなるべく離れて地震が収まるのを待ってから消しにいきましょう
Q2. 地震が発生した瞬間、ブロック塀に近づいて体を支えようとする
× ブロック塀やガラスなどは崩れたり割れたりする可能性が高いため、できるだけ近づかないでください。大きな揺れに体が倒れそうになった時は、姿勢をできるだけ低くして転ばないようにしましょう。
Q3.地震の影響でブレーカーが落ちて真っ暗になってしまったので、ブレーカーをあげた
× 火災の危険性があるので、ブレーカーは触らないようにしましょう。ガス引火の可能性もあるので火もつけてはいけません。 携帯や懐中電灯で光を確保しましょう。
Q4.瓦礫の下敷きになってしまったので、大きな声で叫び続けた
× 万が一身動きが取れなくなってしまった場合に大声を出し続けると体力の消耗に繋がり、命の危険があります。硬いもので壁やドアなどを叩いて、大きな音を出すようにしましょう。
参考:東京防災
防災博士
どうだったかな? 被災した瞬間は誰もがパニックに陥りやすいけど、こんな風な知識を知っていることで生まれる、「正しい行動をできている」という自信は大きな安心に繋がるよね。

場所別被災シュミレーション

防災博士
じゃあ次は、君がどこで被災しても対応できるように場所別にどのように身を守るのがいいかを教えるぞ。 まずは一番被災する可能性が高い自宅から説明しよう

キッチン編

地震場所別対応キッチン

キッチンは、地震によって飛んでくる物や落ちてくる物が多く、非常に危険な場所です。 火をつけている場合も無理して消そうとせずになるべく早くその場を離れて、揺れが収まるのを待ちましょう。

キッチンは、地震によって割れやすい食器や包丁や電化製品など、凶器になってしまう物が多くあります。 揺れが治ったらできる怪我をしないように底の厚いスリッパで足を保護するようにしましょう。

ベッドルーム編

地震場所別対応ベッドルーム

阪神・淡路大震災際、家具の下敷きになって 亡くなった人が多かったことから、寝室には背の高い家具を置かないようにしましょう。

また、一度地震が起きたら、その後連続で地震が起きる可能性があります。 一度無事だったとしても、次の地震に備えて、靴やヘルメットを枕元に準備して寝るようにしましょう。ガラスなどの破片でケガをすることを防ぐことが出来ます。

熊本地震では、2016年4月14日にマグニチュード6.5の地震を観測。 本震だと思われていましたが、さらにその二日後、2016年4月16日にさらに大きなマグニチュード7.3の地震を観測しました

トイレ・バスルーム編

地震場所別対応トイレ・バスルーム

昔は、揺れを感じたらトイレへ逃げ込むというのが常識でした。 しかし、今は建築方法が以前とは異なり、必ずしも安全とは言えません。

また、閉じ込められて避難できない可能性も高いので、扉を開けて待機し、揺れがおさまったら玄関などの安全ゾーンに移動するようにしましょう。

 

浴室は鏡やガラスが多く、揺れで破損物が飛び散りケガをしやすい場所になりますので、危険です。

まずは洗面器やお風呂のふたなどを頭に被り、衣類やバスタオルを持って、いつでも逃げれるように玄関に行き、ドアをあけましょう。

揺れが大きい時は衣類を身につける余裕はありません。

一時の恥よりも、まずは命を守ることを最優先に考えて行動するようにしてください。

2階編

地震場所別対応二階

古い木造の一軒家の場合は、地震で倒壊する恐れがあります。

阪神・淡路大震災では死亡した約8割の人の死因が、 建物倒壊による圧死でしたので、木造家屋の1階に居たらすぐにドアを開けて外に逃げるようにしましょう。

では、木造住宅の2階に居たとしたらどうしましょう?

その場合は、素早く下に降りて、外へ脱出するという方法もありますが、大きく揺れている中で無理に下へ降りると、かえって危険です。

たとえ家がつぶれたとしても、 2階の方が重いものが少ない為、空間に隙間ができやすく生き延びる可能性が高くなります。

防災博士
自宅で被災した場合の対応はこれで大丈夫かな。 じゃあ外出先で被災した場合についても考えてみよう。

道を歩いていた時

地震でブロック塀が崩れ落ちる図

窓ガラス、ブロック塀から離れ、落下物から身を守りながら公園などの広く安全な場所に移動しましょう。 もしも近くに広い場所がない場合は、鉄筋コンクリートビルへ避難してください。

車を運転していた時

車を運転しているときに地震が起きたら、驚いても急に止まらないでください。 急に止まると事故につながります。 ハザードランプをつけてゆっくりと車を減速させましょう。 トンネルにいた場合は抜け切ってください。 そのあとは、情報収集のためラジオを付け、揺れが収まるまで車内で待ちましょう。 揺れが落ち着いたら車のキーは差したままにして連絡先のメモを残し避難してください。

また、震災経験者から地震発生時ガソリンが少なかったため車を使用できなかったという意見もあったので、普段からガソリンを入れておきましょう

電車やバスに乗っていた時

地震の時の電車

落下物から身を守り、つり革やてすりにつかまりましょう。 座っていたら頭をカバンなどで守り、立っている場合は姿勢を低くして身を守りましょう。 勝手に避難しようとはせず、乗務員の指示に従って避難してください。

カラオケボックスなどの個室にいた時

地震時のカラオケボックスや密室 カラオケボックスや漫画喫茶などの個室にいた場合、まずドアを開けて出口を確保しましょう。 揺れが収まってから係員の指示に従って避難してください。

エレベーターに乗っていた時

地震の時のエレベーター

全ての階の停止ボタンを押して一番近い階で降りましょう。 閉じ込められた場合はインターホンを長押しして返答を待ちます。

避難時にエレベーターが動いたとしてもエレベーターを使って避難するのは絶対にやめてください。 停電や故障の影響で急停止し、中に閉じ込められる恐れがあります。

もしも閉じ込められてしまったら中に設置されているインターホンで通報し、救助を待ちましょう。

安否確認のとりかた

防災博士
自分の身の安全が確保できたら、次に気になるのは家族や大切な人の安否だよね。 できるだけ複数の連絡手段を把握しておくことで、繋がる確率が高くなるぞ。

「既読機能」が活躍するLINE

災害時にもっとも確実に安否確認ができるのが「LINE」です。 東日本大震災のあと、大事な時の”ホットライン”としても使えるようにという意味を込められてLINEは立ち上がりました。 相手が読んだことがわかる既読機能に加えて、災害時にはタイムラインに自分の状態を報告できるLINE災害連絡サービスが公式アカウントから送信されます。LINEの地震時の状況を知らせる画面

出典:携帯通信所

また、家族でLINEグループを前もって作っておけば安否確認も素早く行うこともできます。

スマホじゃないなら災害伝言用ダイヤル「171」

SNSを使い慣れていないという方は災害伝言用ダイヤルが使えます。 相手の電話番号を把握しておかなければならないためLINEと比べて少し不便ですが、「171」にかけるだけで音声案内にしたがって比較的簡単に音声メッセージを残せるので、高齢者の方なども使うことができます。 ですが、スマホを使っていない相手との安否確認の際は171がもっとも繋がる確率が高いといえます。 また、遠く離れた親戚に対してメッセージを残す手段としても有効です。 番号は171=「いない」で覚えましょう。 災害用伝言ダイアルセンター171の仕組み

出典NTT東日本

避難の判断

揺れがおさまったら、避難のために正しい情報を集めましょう。 SNSの情報は非常に早いですが、不正確な噂やデマが流れることもあるのでできる限り信頼できる情報源を使いましょう。 停電でもきける乾電・充電式のラジオが非常に便利です。

防災用ラジオのおすすめランキング5選!

2018.12.12
また、災害発生時に帰宅困難者を支援する災害時帰宅支援ステーションも増えています。 目印は黄色と青のキタクちゃんマークです。 災害時帰宅支援ステーションとは、水道、トイレ、情報の提供など可能な限りの協力をしてくれる施設・店舗(コンビニエンスストア、ファミリーレストラン等)のことです。 画像のように、店舗入り口付近にステッカーが貼られています。 災害時帰宅支援ステーションのキタクちゃんマーク

出典関西広域連合

避難所に着くまでの注意点

もし自宅にいて被災した場合で家を離れる際にはいくつか確認するべきことがあります。

家を出る前に確認すべきこと

  1. ブレーカーが落ちているかどうか
  2. ガスの元栓がしまっているかどうか
  3. 家族や自分を探しに来てくれた人に伝言を残したか
扉の外側に貼ってあると、住民が留守なことがバレてしまうため空き巣の被害に会うことがあります。 伝言は扉の内側に残すようにしましょう。

移動中に注意すること

  1. 落下物に注意して頭を守って移動する
  2. 切れた電線には近づかない
  3. 怪我をしている人や倒れている人がいた場合、複数人で助ける
「誰か来てください!人が倒れています!」などと声をあげて複数人で救助に当たるようにしましょう。 動けない人間を運んだり、瓦礫の下敷きになった人を助けるには1人の力では足りずに、自分の体力も大きく奪われてしまう危険があります。

地震直後の行動まとめクイズ

防災博士
さてさて、これで正しい知識は身についたかな? それじゃあちゃんと理解できているか確認しよう!
Q1.家の中で揺れがおさまってから移動するとき、何を身につける?
ガラスなどが割れて足を怪我する可能性があるので、底の厚いスリッパを履いて移動するようにしましょう。
Q2. 車を運転していたときに地震が起こったときどうする?
急に止まらずに、ハザードランプをつけてゆっくりと減速してください。そのあとは情報収集のためにラジオをつけましょう。
Q3.エレベーターに乗っていたときに地震が起きたらどうする?
全ての階のボタンを押して、止まった階でおりてください。閉じ込められた場合はインターホンを長押ししましょう。
Q4.自宅から避難所に移動する前に、家でやっておくべきことは何?
  1. ブレーカーが落ちているかどうか
  2. ガスの元栓がしまっているかどうか
  3. 家族や自分を探しに来てくれた人に伝言を残したか

の3つができているか確認して家を出るようにしましょう

参考:東京防災

03. 地震から数日後

避難所での暮らし

防災博士
無事避難できたとしても、次に気になるのは被災した後の暮らしだね。 様々な人たちが集まる避難所では、お互いのために守らないといけないルールやマナーに加えて、要配慮者への思いやりが大切になってくるよ。

守るべき最低限のルール

避難所では、避難者はお客様ではなくお互いに避難所を作るメンバーであることを意識しましょう。 また、お互いにストレスのたまりやすい環境なので、思いやりをもって基本的には「自分のことは自分で」というスタンスをもつようにしましょう。

避難所での最低限のルール
  1. プライバシーをお互いに守る
  2. ゴミ捨てなどのルールを守り、衛生環境を保つ
  3. 喫煙のルールを守る
  4. 1人にならない、不審な人物を見たら警察に届けるなど防犯対策行う
  5. 感染症や熱中症に対しての体調管理を気をつける

避難所での要配慮者への思いやり

防災博士
避難所では、色々な人が集まるね。 要配慮者と言われる人たちは、色々なニーズを抱えているがなかなか言い出せないこともある。 震災後という誰もが余裕がなくなっている状況で、お互いを思いやって協力することで 「誰もが暮らしやすい空気」を作ることが本当に大切なんだ。 ここでは要配慮者ごとの対応をまとめてみたぞ。

女性・妊婦

避難所の妊婦 女性は服の着替えや生理の問題や、妊婦は授乳などの不安を抱えています。 拠点管理が男性のみだと生理用品などのニーズを言いにくかったりするので、基本的に管理者には女性を置くようにしています。 着替え室や授乳室などのプライベートスペースを作って、男性が覗いたりしないように入り口に人を配置するなどの工夫を女性陣で協力するようにしましょう。

高齢者・要介護者

避難所要介護者や高齢者 高齢者本人は、老眼鏡や服用している薬1週間分、お薬手帳や入れ歯などを避難時に持っていく必要があります。 また、避難所では不便があっても言い出せないことがあるので、孤立感や不安感が少なくなるように頻繁に声をかけて対話をするようにしましょう。

子ども

避難所の子どもの遊び場 小さな子どもは、遊ぶことでストレスを発散させることができます。 そのため、子どもが遊べるスペースを設置して、遊びの時間を設けるようにしましょう。

ペット

避難所の世話をされている犬 避難所ごとのルールがあるので、そのルールにしたがって確認するようにしてください。 避難所の横のスペースにケージを置いて管理するスタイルが基本の避難所でのペットの暮らし方なので、普段からのケージ訓練も大切です。 災害時にペットは同行避難が原則で、排泄物や餌などの管理も飼い主の責任なので、犬用の最低限の避難グッズを作るようにしましょう。  

在宅で暮らすという判断

防災博士
さて、ここまでは避難所での暮らしを紹介したけど、それ選択肢以外に、自宅で暮らすという手段もあるね。 特に人口過多な都心部では、避難所の数が足りずに人が入りきれないことで、在宅避難が推奨されることもある。 メリットもあるけど、いろいろ気をつけなくてはならないポイントがあるんだ。
地震の際の在宅避難

在宅のメリット

  • プライベートが確保できる

例えば着替えや騒音、防犯などの心配をしなくてもいいという精神的な安心を獲得できる。

  • 病気の感染の恐れが少ない

人が集まると起こりやすい感染症の流行などに巻き込まれる可能性が低いというメリットがある。

  • 避難所で配給される食事などももらえる

避難所で配給されるものは在宅避難の場合も支給を受けることができる。 支給の時間帯などを前もって把握しなければならないので、避難所の運営側に一声かけるようにしよう。

在宅を選択する際の注意点

  • 自宅そのものの倒壊具合

自宅が全壊してしまったり、倒壊する恐れがある、また防犯上問題があるなどの場合は自宅での避難は危険。

  • 二次災害の可能性があるかどうか

自宅への損害は少なくても、周辺地域で火事や津波がおきていないかの確認が必要。また、大きな災害が起こった後は二次災害がおきやすいので、随時情報を確認する必要がある。

  • 心理的要因

上記二つの項目をクリアしても、大きな地震があった後は余震に対しての不安な気持ちがある場合は避難所で過ごすこと。

04. まとめ

防災博士
どうだったかな? 地震が起こった時にどのように行動するのが正しいのか、イメージはついたかな? 明日もし地震が起こったとしても、君や、君の周りの大切な人たちが助かるように これからも私たちは正しい知識を伝えていくぞ。
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