最終更新日:2023/02/13 (公開日:2019/06/01)
非常用持ち出し袋に入れるものとは?現金を入れるべき理由もご紹介
非常用持ち出し袋とは、災害発生時に「自分の命を守るため」に必要な物をつめた持ち出し袋を指します。
いつ発生するか分からない災害に備えて、非常用持ち出し袋の用意を検討している人も増えましたが、「具体的に中身は何を入れていいか分からない」人も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、総務庁消防庁発表の「非常用持出品チェックシート」にそって、非常持ち出し袋の中身を紹介、さらに限られた非常持ち出し袋のスペースを押さえたり、上手な製品を選んだりするうえで役立つ選び方のポイントを、おすすめ製品とともにご紹介します。
これからの非常持ち出し袋の準備にぜひ役立ててください。
目次
非常用持ち出し袋に入れるものリスト
総務省消防庁では、公式サイト内で「非常用持出品チェックシート」を公開しています。
貴重品 | 現金 10円玉・預金通帳・印鑑・保険証・免許証 |
避難用具 | 懐中電灯・携帯ラジオ・予備の乾電池・ヘルメット |
生活用品 | 厚手の手袋・毛布・缶切り・ライター・マッチ・ナイフ・携帯用トイレ |
救急用品 | 救急箱・処方箋の控え・胃腸薬・便秘薬・持病の薬・生理用品 |
非常食品 | 乾パン・缶詰・栄養補助食品・アメ・チョコレート・飲料水 |
衣料品 | 下着・靴下・長袖・長ズボン・防寒用ジャケット・雨具 |
その他 | 携帯用カイロ |
参考:https://www.fdma.go.jp/relocation/bousai_manual/too/pdf/mocidashi.pdf
これに沿って持ち出し袋の中身の選び方とそろえ方を紹介していきます。
非常持ち出し袋の中身については以下の記事もあわせてご覧ください。
①:貴重品
災害時、一秒一刻を争う避難を余儀なくされることもあり、貴重品を持ちだそうとすると逃げ遅れる場合があります。
非常持ち出し袋の中には、避難後も最低限自分の身元が補償できたり、その後の預金が引き出せたりするようになるものを入れておきましょう。
現金
現金といっても大金ではなく、公衆電話で使用する10円玉を用意しておきます。
免許証や通帳はコピーで
身分証明書となる免許証や健康保険証、預金を引き出すための預金通帳などは現物を非常持ち出し袋に入れてしまうと、日常生活時に不便があります。
実物でなくても、預金なら通帳番号が分かれば、保険証なら記号や番号が分かれば利用できます。
日常生活で実物を使い、非常持ち出し袋の中には通帳や健康保険証、免許証などのコピーを入れておきましょう。
印鑑
災証明など公的な署名発行時に印鑑が必要になります。
シャチハタは不可のため、認印でいいので朱肉で押す印鑑を用意しておきましょう。
②:避難用具
避難用具は安全な避難先までたどり着くまでに使うアイテムを中心にそろえます。
懐中電灯・携帯ラジオ
停電時や夜間の避難時は懐中電灯が必須となります。
また、携帯ラジオは災害時の正しい情報を入手するうえでも必要になるでしょう。
懐中電灯は迅速な移動のため、避難する人数分用意しておきます。
また、非常持ち出し袋の省スペースのため、懐中電灯と携帯ラジオが一緒のタイプにすると便利です。
予備の乾電池
ラジオなどの電池切れ対策に、予備の乾電池を入れておきましょう。
必ず使用するラジオなどの機器に合致した種類の乾電池を用意しておきます。
ヘルメット
ヘルメットまたは防災頭巾は、頭上からの落下物から頭を守るうえで必須となるアイテムです。
子供用のヘルメットや防災頭巾も発売されているため、自宅用なら家族の人数分用意しておきましょう。
また、ヘルメットは折り畳み式の物もあるので、選ぶと非常持ち出し袋の省スペースにもなります。
③:生活用品
自宅避難からしばらく避難所や避難先で生活する場合があります。
そのさいの生活を快適に過ごせるのが生活用品です。
厚手の手袋
厚手の手袋はがれきを撤去したり、けがや寒さから手を守ったりできます。
軍手ではなく、アウトドア用品の手袋を入れておくと、がれきの撤去と防寒両面での使用ができます。
毛布
防寒対策のほか、着替え時の目隠し、プライベートスペースを確保する上でも使えるのが毛布です。
近年、携帯にも便利かつ防寒、遮熱両面で使用できるエマージェンシーブランケットも多く発売されているため、ひとつ非常持ち出し袋に入れておきましょう。
缶切り・ライター・マッチ・ナイフ
何かを切ったり、缶を開けたり、火器を使用したりといった必要が出てくる場合があります。
省スペースのためには、万能ナイフを入れておくのがおすすめです。
火器は省スペースのほか、火力も考慮して選びましょう。
ライターも火力がアップするツールを使うと便利です。
携帯用トイレ
簡易トイレはひとりあたり1日7回×3日分=21回分用意しておきましょう。
自宅から避難所までたどり着くまでの非常持ち出し袋には、とりあえず1日分だけ入れておきます。
ライフラインの復旧を見据えた備蓄分は、自宅での備蓄で問題ありません。
④:救急用品
災害時は医療機関も正常に動きません。
また、命に係わる状態の人が優先的に医療措置を受けるため、けがや病気は自分である程度対処できなければいけないのを覚えておきましょう。
けがや病気などへの備えとして、非常持ち出し袋の中身として用意しておきたいものを紹介します。
救急箱
けがをしてもすぐに手当てできる応急処置セットを入れておきましょう。
処方箋の控え
普段飲んでいる薬がある人は、処方箋の控えを用意しておきましょう。
おくすり手帳をコピーして入れておくと、手軽に準備ができます。
胃腸薬・便秘薬・持病の薬
体の不調に対応できる市販薬も非常持ち出し袋に入れておけば安心です。
胃腸薬や便秘薬などの市販薬は、消費期限に気を付けつつ、ローリングストックがおすすめです。
生理用品
災害時は物流も一時的にストップしてしまいます。
さらに救援物資が届くまでにも時間がかかります。
女性として必要な生理用品を入れておきましょう。
⑤:非常食品
非常持ち出し袋に入れておく非常食は、自宅~避難所にたどり着く1日分、ひとりあたり3食分が目安となります。
乾パン・缶詰・栄養補助食品・アメ・チョコレート
自宅~避難所にたどりつく分としてひとりあたり3食分を用意します。
携帯しやすい栄養補助食品を選ぶと良いでしょう。
アメやチョコレートを始め、甘いものはカロリーや糖分補給と、災害時に安心感を得る上でも携帯しておくのがおすすめです。
飲料水
1日分の飲料水を用意します。
ひとりあたり500mlペットボトル3本(1.5L)がめやすになります。
⑥:衣料品
衣料品は体を清潔にするのと、防寒対策のために入れておきましょう。
下着・靴下・長袖・長ズボン・防寒用ジャケット
下着や靴下は万が一雨などで濡れてしまったときに着替える用になります。
あとは防寒対策のものを非常用持ち出し袋のスペースと相談しながら入れましょう。
雨具
雨具は避難時、両手が空けられるようにレインコートを選びます。
⑦:その他
防寒対策として携帯用カイロを入れておきます。
ほかにもリストには載っていないが、入れておくと良いものを紹介します。
携帯用カイロ
防寒用に入れておくと便利です。
避難経路の書かれた地図
スマホでも地図は見られますが、スマホは情報収集や連絡手段として使うため、災害時はできるだけバッテリー消耗は押さえておくのが鉄則です。
そのため、避難経路が書かれた紙の地図を入れておきましょう。
携帯電話の充電器や予備バッテリー
携帯電話のバッテリー切れ防止のために、携帯電話の充電器や予備バッテリーを用意しておきます。
充電器は、電気が止まってしまった時にも使えるソーラー仕様や手回しの充電器も考慮して選びましょう。
また、充電器のほかすぐにスマホを使えるようにする予備のバッテリーも合わせて用意しておきましょう。
その他「生きるために必要な物」
上記で上げたもの以外でも、自分が生きる上で必要な物があれば必ず非常持ち出し袋に用意をしておきましょう。
普段コンタクトの人ならスペアのメガネ、高齢者の方ならおりたたみの杖、赤ちゃんがいる家庭なら使い捨て哺乳瓶やミルクセットなどが該当します。
非常用持ち出し袋の中身を準備しておこう
非常持ち出し袋の中に入れるのは、あくまで命を守るための最低限の物だけです。
入れすぎると避難の妨げになってしまうため、中身を厳選する必要があります。
非常持ち出し袋と一緒に二次避難用や自宅避難用の防災グッズも同時にそろえておくとより安心でしょう。