最終更新日:2023/06/01 (公開日:2018/09/07)
【石川県】自然災害の種類&被害予想や対策ポイント(地震/台風など)
地震、津波、台風、土砂災害…。「災害大国」ともいわれる日本列島では、いつどこで災害に遭遇してもおかしくありません。
災害への備えは、地域ごとの地理的特徴と社会特性を知り、災害の種類ごとにどんな影響がおきるのかを正確に把握するところからスタートします。
ここでは、石川県における地震・津波災害、風水害、土砂災害の特徴を整理し、それぞれの災害についての対策のポイントを紹介します。
地図やハザードマップを使って、家族や友達とこの記事を見ながらどうするかを話し合い、万が一の時に向けて対策を進めましょう。
石川県で想定される地震・津波災害
地震災害には、陸域の浅いところで活断層が活動することにより発生する直下型の地震と、海域のプレートが跳ね上がって発生する海溝型の地震とがあります。
石川県に被害を及ぼす地震としては、内陸の浅い場所で発生する直下型地震、日本海東縁部で大きな被害が予想される海溝型地震があります。
今回は直下型地震と海溝型地震、この2つの災害を軸に、被害を見ていきましょう。
直下型地震
例えば下の図は石川県に49か所あるといわれている活断層のうち、邑知潟断層帯の図です。
全体の長さは約44 km で、ほぼ北東-南西方向に延びています。
この邑知潟断層帯で地震が起こると、上図のように県内の幅広い地域で震度4以上、特に七尾市~金沢市にかけての地域では震度6弱以上の地震が想定されています。
この断層付近での近年の被害地震では、2007年(平成19年)の能登半島地震(M6.9)があります。この地震では死者1人、負傷者338人、住家全壊686棟、住家半壊1,740棟、一部損壊26,959棟、非住家4,484棟などの被害が出ました。
海溝型地震
次は日本海東縁部で大きな被害が予想される海溝型地震についてです。
上図は能登半島北方沖で地震が起こった場合の震度予想です。
この場合図にあるように日本海東縁部は震度5弱以上に見舞われるため、海岸沿いの方は地震対策と共に液状化の対策は必須となります。
- 海溝型地震の近年の被害地震としては、1993年(平成5年)の能登半島沖地震(M6.6)があげられます。この地震により、珠洲市を中心に次のような被害が出ました。
【被害状況】
台風などにおける風水害
梅雨、台風のような気象条件の下では多雨、集中豪雨、強風などにより河川の氾濫や海岸での高波が発生し、流域や沿岸の人家等に被害を及ぼすおそれがあります。
雪・風水害に備え、日ごろから家の外や中、緊急時の避難場所などを確認しておくようにしましょう。
地震などにおける土砂災害
毎年発生する自然災害の中で、死者や行方不明者が発生する割合がもっとも高いのは、実は土砂災害です。
阪神・淡路大震災と東日本大震災の特異ケースを除けば、自然災害による死者・行方 不明者のうち 4 割を土砂災害が占めています。
土砂災害には、がけ崩れ、土石流、地すべりがあり、石川県でも、地震や大雨などにより多くの土砂災害が発生しています。
県では、土砂災害が発生するおそれのある区域を調査し、「土砂災害警戒区域」「土砂災害特別警戒区域」として発表しています。
・警戒区域:土砂災害が発生する恐れのある区域(イエローゾーン)
・特別警戒区域:警戒区域の中で、建物倒壊など住民に著しい被害が発生する恐れのある区域(レッドゾーン)
レッドゾーンのなかにある建物は、土砂災害に対する耐性を強くするため、建て替え時などに構造を強化する必要があるとされています。
防災対策のポイント3つ
①地震・津波への備え
地震・津波は突然発生し、破壊力が非常に大きいため、何をおいても命を守るための対策をたてておくようにしましょう。代表的なのは揺れを抑える対策です。自治体によって耐震診断などに助成金を出している場合もあるので、問い合わせてみて積極的に活用しましょう。
地震の被害は主に2パターンあります。1つ目は地盤の揺れや液状化、2つ目はそれに伴う建物倒壊、火災です。
被害をなくすのは不可能ですが、より小さくするには前述のように地盤の揺れによる影響を小さくしたり、建物倒壊数や火災による被害を減らすことが重要です。
対策としては
①軟弱な地盤の液状化対策として地盤の強度を増す
②建物の耐震診断と補強工事
③家具や器具などの転倒や落下、ガラス飛散への防止策
などがあげられます。
また、大規模な地震の場合はどんなに備えていても必ず被害が発生すると覚悟して、長期間の被災生活を想定した備えをしておくことも重要です。
具体的な対策としては、
- バッテリーや蓄電器、簡易発電機などの準備
- 飲水や生活用水の確保
- 下水道損傷に備えた簡易トイレの確保
- 食料、生活必需品の備蓄
- 津波や大規模火災時の避難場所、避難方法の確認、非常持出品の整理
等が挙げられます。
②風水害への備え
風水害の場合は、気象庁からあらかじめ予報が出されるため、できるだけ早く正確な情報をつかんで、災害が発生する前に避難できるようにすることがもっとも重要なポイントとなります。
ふだんから気象関係のアプリやホームページにアクセスして、どんな情報がどこにあるか、どのくらいの状態になったら避難などの対応が必要かなど、気象情報を正しく読み取れるようになっておきましょう。
③土砂災害への備え
土砂災害は前触れなく発生します。大雨で地盤が緩んでいるときに起きやすいですが、はっきりとした兆候がみつけにくいことも多いため、崩れることに気づいてからでは助かりません。
土砂災害の場合は、土地の危険性についてあらかじめ知っておくことがもっとも重要なポイントになります。 土砂災害の危険性については、自治体が発表している土砂災害危険度情報(土砂災害ハザードマップなど)が参考になります。ホームページで公開されていますので、あらかじめ確認しておきましょう。
また、大雨のときには、気象庁と都道府県から土砂災害警戒情報や土砂災害に関する避難情報も発表されますので、該当する地域にいる場合はできるだけ早く避難してください。
まとめ
災害はいつどこで発生するかわかりませんが、むやみやたらと恐れて根拠のない都市伝説に引っかからないようにしましょう。
一人ひとりが災害に対する正しい知識を身につけ、「きちんと怖がる」ことが、災害と向き合う第一歩です。
「まさか自分が」とならないよう、良質な情報を集め、できることから備える行動を起こしましょう。