最終更新日:2022/09/03 (公開日:2019/01/06)
台風の防災・対策ポイント
目次
そもそも台風ってなに?
台風とは、北西太平洋または南シナ海で発生した熱帯低気圧で、なおかつ低気圧域内の最大風速がおよそ17m/s(34ノット、風力8)以上のものが台風です。
台風の大きさと強さについて
気象予報士の方がよく「強い台風」「大型の台風」「非常に強い台風」と台風を表現するのを聞きますが、どのように使いわけられているのかご存じですか?
それは風速を元に大きさと強さが区分されています。
強さの階級
階級 | 最大風速 |
強い | 33m/s~44m/s |
非常に強い | 44m/s~54m/s |
猛烈な | 54m/s~ |
大きさの階級
階級 | 風速15m/s以上の半径 |
大型(大きい) | 500km~800km |
超大型(非常に大きい) | 800km~ |
出典:気象庁
01.台風が起こる前の準備
台風発生時に命を守る方法
暴風対策編
①窓ガラスの補強
暴風の影響で窓ガラスが割れるのを防ぐため、また割れてもガラスが飛び散るのを防ぐため窓ガラスを補強しましょう。
専用の飛散防止フィルムも売っていますが、コストをかけずに家にあるもので対策したい方にはガムテープ、または段ボールをおすすめします。
ガムテープの場合は米印型にガムテープを貼り、段ボールの場合は、窓ガラスのサイズに合わせてカットした段ボールを貼ります。
②ベランダ、外に出ているものの片付け
台風によってベランダのスリッパも凶器になるほど暴風の威力は凄まじいです。 ご近所さんに迷惑をかけたり、誰かに怪我をさせてしまわないよう家の外にあるものは全てしまいましょう。 家の網戸が外れやすいなら網戸も外し、屋根の瓦が割れていたりひびが入っていたら補強・修理を行ってください。
浸水対策編
①土嚢、水嚢で浸水を防ぐ
洪水の時、玄関からの水の侵入はもちろん、トイレや浴室、キッチンなどの排水溝から逆流した水が溢れる場合があります。 逆流した水は下水を含み、感染症の恐れもあります。
その際に非常に便利なのが、土のうや水のう。 特に水のうは作り方が非常に簡単で、土のうと比べて片付けの手間もかかりません。 家庭にあるものですぐにできるので、台風や豪雨の前に作って玄関・トイレ・浴室・キッチンに水のうを設置しましょう。
作り方から、ダンボールやビニールシートとの組み合わせ方法、実際の配置まで解説してくれている動画はこちら
②家の周りの雨水ますを綺麗にしておく
家の周りの雨水ますが物で塞がれていたり、ゴミが詰まっていると道路の雨水が流れこまず、その周辺で浸水がおこる可能性が高くなります。
鉢植えや、車のために置いている段差プレートなどで意図せずに塞いでいる可能性もあるので、大雨や台風前に確認するようにしましょう。
また、日頃から家の周りを掃除する際に、ゴミを雨水ますの穴に入れてしまわないように気をつけましょう。
備蓄の確認と準備
台風発生時のシミュレーション
「既読機能」が活躍するLINE
災害時にもっとも確実に安否確認ができるのが「LINE」です。 東日本大震災のあと、大事な時の”ホットライン”としても使えるようにという意味を込められてLINEは立ち上がりました。 相手が読んだことがわかる既読機能に加えて、災害時にはタイムラインに自分の状態を報告できるLINE災害連絡サービスが公式アカウントから送信されます。
出典:携帯通信所
また、家族でLINEグループを前もって作っておけば安否確認も素早く行うこともできます。
スマホじゃないなら災害伝言用ダイヤル「171」
SNSを使い慣れていないという方は災害伝言用ダイヤルが使えます。 相手の電話番号を把握しておかなければならないためLINEと比べて少し不便ですが、「171」にかければ音声案内にしたがって比較的簡単に音声メッセージを残せるので、高齢者の方なども使うことができます。
ですが、スマホを使っていない相手との安否確認の際は171がもっとも繋がる確率が高いといえます。 番号は171=「いない」で覚えましょう。
出典:NTT東日本
02.台風上陸時
気をつけるべきポイントは4つ
①外に出ない
面白半分で外に出たり、川の様子を見に外に出るのは絶対にやめましょう。
台風の目に入った際、台風が過ぎ去ったと勘違いし外に出ると、急に雨風に襲われることがあるので、むやみな外出は禁物です。
②地下より高い所に避難する
大雨による冠水で水が地下に流れ込んだ場合、水圧でドアが開かなくなり、避難が困難になる場合があります。 頑丈な建物の2階以上に避難するようにしましょう。
③車のスピードを落とす
もしも車を運転中に台風に遭ってしまったなら、スピードを落としてください。 車のスピードを出すと横風にハンドルが取られやすくなります。 特にトンネルの出口、橋の上は風が強く吹くので注意しましょう。
④こまめに情報収集
台風が日本付近に接近すると、台風の実況、および一時間後推定時が毎時更新されます。 こまめに天気予報をチェックし、暴風域に入る前に屋内に待機してください。 避難情報もこまめにチェックし、避難が必要な地域は早めに行動しましょう。
避難するときの流れと注意点
どういう判断で避難すればいいの?
地域ごとに避難情報が流れると思いますが、その名称ごとの対応を把握しておくことは、避難の判断を下す際に非常に重要となります。 情報ごとの対応は以下の通り。
避難勧告は「一刻も早く避難する」ことを意味する情報です。
人間は、何か非日常の出来事が起こった時でも大丈夫だと感じてしまう「正常性バイアス」という心の動きを持っています。
これは生活においてストレスを感じすぎないようにするための心の防御反応なのですが、災害の避難においては「逃げ遅れ」を誘発する原因となってしまいます。
東日本大震災での津波による被害の多くは、避難の逃げ遅れが大きな原因となっています。 台風が近づいている時は「大丈夫」と思い込まずに、早めの避難をすることが命を守ることに繋がります。
避難する時に気をつけること
避難の際は、基本的に複数人で行動する
一人で避難してしまうと、トラブルに巻き込まれてしまった時に助けを呼ぶことができません。 家族や近所の人などとできれば複数人での避難を行うようにしましょう。
冠水している道路は棒をつかって歩く
冠水している道路は、マンホールや側溝のふたが外れて転落する可能性があって危険です。 避難の際にやむを得ず冠水箇所を移動する場合は、傘などの棒で地面を探りながら避難してください。
状況に応じて早めの避難を行う
避難は夜間に行うと危険です。できるだけ昼間の避難が好ましいです。 また、家に高齢者や障がい者など、避難が困難な人がいる場合は早めの避難を心がけましょう。 近所に独り身の高齢者などがいた場合は、声をかけて地域で助け合って行動するようにしましょう。
長靴だと水が入ってくるので運動靴で避難する
浸水が進んでくると、長靴自体が全て水に浸かってしまって非常に脱げやすくなります。 一度脱げてしまうと再び探すのは難しく、怪我の危険も増してしまいます。 運動靴で脱げないように紐をしっかりと結んで避難するようにしましょう。
台風の正しい知識・行動○×クイズ!
03.まとめ
明日もしも災害が起こったとしても、君や、君の周りの大切な人たちが助かるように これからも私たちは正しい知識を伝えていくぞ。
台風は発生している数も多いが、いつ上陸するか予想ができるため、事前準備がしやすい災害でもあるぞ。 つまり正しい知識があれば、被害を最小限に抑えることができるということだ。 ではまず、そもそも台風とは何なのか、というところから確認しよう。