2019.01.06

台風の防災・対策ポイント

written by Hinaka

防災博士
やあ、諸君。私は防災博士だ。 今回は台風について一緒に学ぼうではないか。 毎年7月から10月にかけて世界で年20~30件ほど発生している台風は そのうちの約半分が日本に接近しており、最も身近な災害の一つと言えるね。

台風は発生している数も多いが、いつ上陸するか予想ができるため、事前準備がしやすい災害でもあるぞ。 つまり正しい知識があれば、被害を最小限に抑えることができるということだ。 ではまず、そもそも台風とは何なのか、というところから確認しよう。

そもそも台風ってなに?

防災博士
台風とただの豪雨・強風には明確な違いがあるのだが何か知っているかい? 台風と普通の低気圧とは風の発生場所・強さ・速さが異なっているのだ。

台風とは、北西太平洋または南シナ海で発生した熱帯低気圧で、なおかつ低気圧域内の最大風速がおよそ17m/s(34ノット、風力8)以上のものが台風です。

台風の大きさと強さについて

気象予報士の方がよく「強い台風」「大型の台風」「非常に強い台風」と台風を表現するのを聞きますが、どのように使いわけられているのかご存じですか?

それは風速を元に大きさと強さが区分されています。

強さの階級

階級 最大風速
強い 33m/s~44m/s
非常に強い 44m/s~54m/s
猛烈な 54m/s~

大きさの階級

階級 風速15m/s以上の半径
大型(大きい) 500km~800km
超大型(非常に大きい) 800km~

出典:気象庁

01.台風が起こる前の準備

台風発生時に命を守る方法

暴風対策編

防災博士
台風が来た際、まず最初に襲ってくるのが暴風だ。 どんなに軽いものでも速い速度で飛んでくると凶器に変わってしまう。 暴風で何かが飛んで行ってしまわないための対策、そして何かが飛んできた時の対策、両方をしっかり行おう。

①窓ガラスの補強

暴風の影響で窓ガラスが割れるのを防ぐため、また割れてもガラスが飛び散るのを防ぐため窓ガラスを補強しましょう。

専用の飛散防止フィルムも売っていますが、コストをかけずに家にあるもので対策したい方にはガムテープ、または段ボールをおすすめします。

ガムテープの場合は米印型にガムテープを貼り、段ボールの場合は、窓ガラスのサイズに合わせてカットした段ボールを貼ります。

②ベランダ、外に出ているものの片付け

台風によってベランダのスリッパも凶器になるほど暴風の威力は凄まじいです。 ご近所さんに迷惑をかけたり、誰かに怪我をさせてしまわないよう家の外にあるものは全てしまいましょう。 家の網戸が外れやすいなら網戸も外し、屋根の瓦が割れていたりひびが入っていたら補強・修理を行ってください。

浸水対策編

防災博士
最近被害の規模が拡大している台風や豪雨で、 家が浸水してしまったり避難が遅れて家に取り残されることが増えていることは知っているかい? ここでは、家庭や地域でできる基本的な浸水対策と、浸水時の避難の流れと注意点を紹介していくよ。

①土嚢、水嚢で浸水を防ぐ

洪水の時、玄関からの水の侵入はもちろん、トイレや浴室、キッチンなどの排水溝から逆流した水が溢れる場合があります。 逆流した水は下水を含み、感染症の恐れもあります。  

その際に非常に便利なのが、土のうや水のう。 特に水のうは作り方が非常に簡単で、土のうと比べて片付けの手間もかかりません。 家庭にあるものですぐにできるので、台風や豪雨の前に作って玄関・トイレ・浴室・キッチンに水のうを設置しましょう。

作り方から、ダンボールやビニールシートとの組み合わせ方法、実際の配置まで解説してくれている動画はこちら

②家の周りの雨水ますを綺麗にしておく

家の周りの雨水ますが物で塞がれていたり、ゴミが詰まっていると道路の雨水が流れこまず、その周辺で浸水がおこる可能性が高くなります。

鉢植えや、車のために置いている段差プレートなどで意図せずに塞いでいる可能性もあるので、大雨や台風前に確認するようにしましょう。

また、日頃から家の周りを掃除する際に、ゴミを雨水ますの穴に入れてしまわないように気をつけましょう。

備蓄の確認と準備

防災博士
台風の暴風によって最も起こりやすいのが停電だ。 停電に伴い、水の供給がストップすることも多い。 そうなっても乗り切れるための備蓄を普段から用意しておこう。 また備蓄だけではなく、避難することになった時もすぐ持ち出せる、防災リュックも一緒に用意しよう。

【完全版】手作り防災リュックの中身

2018.12.30

台風発生時のシミュレーション

防災博士
台風で身動きが取れなかったり、家族と別々に避難しないといけない状況になるかもしれないよね。 災害時にはアクセスが集中して電話やインターネットが繋がりにくくなることもあるんだ。 できるだけ複数の連絡手段を把握しておくことで、繋がる確率が高くなるぞ。

「既読機能」が活躍するLINE

災害時にもっとも確実に安否確認ができるのが「LINE」です。 東日本大震災のあと、大事な時の”ホットライン”としても使えるようにという意味を込められてLINEは立ち上がりました。 相手が読んだことがわかる既読機能に加えて、災害時にはタイムラインに自分の状態を報告できるLINE災害連絡サービスが公式アカウントから送信されます。

LINE、災害時に自分の状況をカンタンに報告できる「LINE災害連絡サービス」をスタート

出典:携帯通信所

また、家族でLINEグループを前もって作っておけば安否確認も素早く行うこともできます。

スマホじゃないなら災害伝言用ダイヤル「171」

SNSを使い慣れていないという方は災害伝言用ダイヤルが使えます。 相手の電話番号を把握しておかなければならないためLINEと比べて少し不便ですが、「171」にかければ音声案内にしたがって比較的簡単に音声メッセージを残せるので、高齢者の方なども使うことができます。

ですが、スマホを使っていない相手との安否確認の際は171がもっとも繋がる確率が高いといえます。 番号は171=「いない」で覚えましょう。

出典NTT東日本

02.台風上陸時

気をつけるべきポイントは4つ

防災博士
これで台風への備えはばっちりだ。 では次に、台風が目の前に迫ってきた時の正しい行動を確認していこう。

①外に出ない

面白半分で外に出たり、川の様子を見に外に出るのは絶対にやめましょう。

台風の目に入った際、台風が過ぎ去ったと勘違いし外に出ると、急に雨風に襲われることがあるので、むやみな外出は禁物です。

②地下より高い所に避難する

大雨による冠水で水が地下に流れ込んだ場合、水圧でドアが開かなくなり、避難が困難になる場合があります。 頑丈な建物の2階以上に避難するようにしましょう。

③車のスピードを落とす

もしも車を運転中に台風に遭ってしまったなら、スピードを落としてください。 車のスピードを出すと横風にハンドルが取られやすくなります。 特にトンネルの出口、橋の上は風が強く吹くので注意しましょう。

④こまめに情報収集

台風情報収拾ラジオ

台風が日本付近に接近すると、台風の実況、および一時間後推定時が毎時更新されます。 こまめに天気予報をチェックし、暴風域に入る前に屋内に待機してください。 避難情報もこまめにチェックし、避難が必要な地域は早めに行動しましょう。

避難するときの流れと注意点

防災博士
早めの避難が大事なのはわかっているが、そもそも避難するべき基準がわからない、という方も多いのではないだろうか。 これを見れば避難するべき基準がわかるはずだ。 この基準を頭に入れておき、状況に応じて柔軟に行動しよう。

どういう判断で避難すればいいの?

地域ごとに避難情報が流れると思いますが、その名称ごとの対応を把握しておくことは、避難の判断を下す際に非常に重要となります。 情報ごとの対応は以下の通り。

避難情報の指示と対応参考:トクする防災!避難の心得(基本編)

避難勧告は「一刻も早く避難する」ことを意味する情報です。

人間は、何か非日常の出来事が起こった時でも大丈夫だと感じてしまう「正常性バイアス」という心の動きを持っています。

これは生活においてストレスを感じすぎないようにするための心の防御反応なのですが、災害の避難においては「逃げ遅れ」を誘発する原因となってしまいます。

  東日本大震災での津波による被害の多くは、避難の逃げ遅れが大きな原因となっています。 台風が近づいている時は「大丈夫」と思い込まずに、早めの避難をすることが命を守ることに繋がります。

避難する時に気をつけること

防災博士
じゃあもしも君がいるところで、 今大雨・洪水が起こっているとき、どういう風に避難するのが正しいだろうか? 今度は避難の時に気をつけるポイントを軽く説明するぞ。 簡単なことだが知っていると落ち着きを取り戻せたりするなど、精神的にも安心することができるんだ。

避難の際は、基本的に複数人で行動する

集団での避難

一人で避難してしまうと、トラブルに巻き込まれてしまった時に助けを呼ぶことができません。 家族や近所の人などとできれば複数人での避難を行うようにしましょう。

冠水している道路は棒をつかって歩く

冠水道路からの避難

冠水している道路は、マンホールや側溝のふたが外れて転落する可能性があって危険です。 避難の際にやむを得ず冠水箇所を移動する場合は、傘などの棒で地面を探りながら避難してください。

状況に応じて早めの避難を行う

土砂災害 避難

避難は夜間に行うと危険です。できるだけ昼間の避難が好ましいです。 また、家に高齢者や障がい者など、避難が困難な人がいる場合は早めの避難を心がけましょう。 近所に独り身の高齢者などがいた場合は、声をかけて地域で助け合って行動するようにしましょう。

長靴だと水が入ってくるので運動靴で避難する

大雨洪水避難運動靴

浸水が進んでくると、長靴自体が全て水に浸かってしまって非常に脱げやすくなります。 一度脱げてしまうと再び探すのは難しく、怪我の危険も増してしまいます。 運動靴で脱げないように紐をしっかりと結んで避難するようにしましょう。  

台風の正しい知識・行動○×クイズ!

防災博士
台風の対策についてはこれで終了だ。 しっかり諸君の頭に入ったかどうかを◯×クイズで確認してみよう!
Q1.台風が来る前に植木鉢などの重いものは片付けなければいけないが、スリッパ等の軽い物は片付けなくてよい
× 台風など暴風の下ではスリッパが窓ガラスを割ることもあり、どんなに軽いものでも外に置いておくのは危険です。

自分が怪我をしないようにするため、また、人に怪我をさせないようにするためにも外に出しているものは全て片付けましょう。

Q2. 窓に貼る飛散防止シートがない時は、ダンボールで代用できる
外から何かが飛んできても窓ガラスが割るのを塞いだり、割れてもガラスを飛び散りにくくしてくれるのが防止フィルムの役割です。 その時家庭になくてもダンボールやガムテープで代用が可能です。 ガムテープの場合は米印型にガムテープを貼り、 段ボールの場合は窓ガラスのサイズに合わせてカットした段ボールを貼ります。
Q3.台風が来た時は、頑丈な地下に逃げ込むのが安全だ
× 地下には地上の冠水が流れ込んでくる恐れがあり、 流れてきた場合、水圧でドアが開かなくなり、避難が遅れてしまいます。 避難する際は頑丈な建物の2階以上に避難しましょう。
Q4.運転中台風に遭ってしまったら、早く帰るためスピードを上げる
× 車のスピードを出すと横風にハンドルが取られやすくなるため、スピードを落として運転してください。 特にトンネルの出口、橋の上は風が強く吹くので注意しましょう。
Q5.避難する時は、濡れないよう長靴で避難する
× 浸水が進んでくると、長靴自体が全て水に浸かってしまって非常に脱げやすくなります。 また、水が長靴に入って重くなり、思うように進めません。 運動靴を脱げないように紐をしっかりと結んで避難しましょう。
 

03.まとめ

防災博士
どうだったかな? 台風や豪雨は、天気予報によって来ることを想定するのは難しくないね。 被害を最小限に抑えるため、家の外にあるものは片付け、飲料水・食べ物を用意しておこう。

明日もしも災害が起こったとしても、君や、君の周りの大切な人たちが助かるように これからも私たちは正しい知識を伝えていくぞ。