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最終更新日:2022/11/06 (公開日:2019/01/06)

津波の防災・対策や避難方法

津波
防災博士

やあ、諸君。私は防災博士だ。

今日は津波に対して正しい防災準備や知識を君たちに教えていこう!

東日本大震災から津波は世界的に知られるようになったけど、実際の詳しい対応や正しい情報まではしっかりと知っている人は少ないんだ。

じゃあまずは津波の脅威についてしっかり勉強しよう。

東日本大震災の死因の大部分は津波

防災博士

諸君は津波の恐怖を本当の意味で知っているかな? 津波は、一瞬で大量の人の命を奪ってしまう恐ろしい災害だ。

まずは東日本大震災が起こってから津波が起こるまでの映像を見てくれ。

また、見ている途中で気分が悪くなった人は無理をして見ないで欲しい。

東日本大震災では、災害関連死を除くと1万1108人もの人が命を失いました。 警視庁によるとその92.5%の死因は、「溺死」によるものだったという検視結果が出ました。

つまり、東日本大震災で亡くなった方のほとんどが「津波が原因」で亡くなりました。

出典:日本経済新聞

津波が起こるまえの準備

防災リュックの用意

防災博士

津波の際にも、いつでも持ち出せる防災リュックが非常に大切だ。

1分1秒を争う時間の中で、自分が必要なものを正しく集めるほど冷静ではいられないだろう。

津波から逃げ切って避難所に行けば最低限のものはあるかもしれないけど、支援物資が届くのに時間がかかる可能性もある。

また、最低限必要なものじゃなくても、個人的には欲しいというものは誰しもあるけど、緊急時は心理的に言いにくくなる。

自分が必要なものは最低限はもっておこう。

地震に限らず使える防災リュックの準備はここから確認しよう。

【保存版】防災リュックの作り方!手作りがおすすめな理由&リスト付

2018.12.30

津波発生時

安否確認のとりかた

防災博士

自分の身の安全が確保できたら、次に気になるのは家族や大切な人の安否だよね。

できるだけ複数の連絡手段を把握しておくことで、繋がる確率が高くなるぞ。

「既読機能」が活躍するLINE

災害時にもっとも確実に安否確認ができるのが「LINE」です。

東日本大震災のあと、大事な時の”ホットライン”としても使えるようにという意味を込められてLINEは立ち上がりました。

相手が読んだことがわかる既読機能に加えて、災害時にはタイムラインに自分の状態を報告できるLINE災害連絡サービスが公式アカウントから送信されます。

LINE地震発生時の安否確認

出典:携帯通信所

また、家族でLINEグループを前もって作っておけば安否確認も素早く行うこともできます。

電話回線しか使えないなら災害伝言用ダイヤル「171」

SNSを使い慣れていないという方は災害伝言用ダイヤルが使えます。

電話で「171」にかければ音声案内にしたがって簡単に音声メッセージを登録することができるので、相手の電話番号を把握さえしていれば高齢者の方なども使うことができます。

スマホが使えない相手との安否確認や、インターネット回線が使えない状況、公衆電話や固定回線しか使えない状況の際は171がもっとも繋がる確率が高いといえます。

電話番号は171=「いない」で覚えましょう。

総務省|報道資料|災害時には「災害用伝言サービス」やメールを御活用ください

出典:総務省 > 災害用伝言サービス

防災博士

さて、これで準備は大丈夫だね。

じゃあもしも君がいるところで、

今大地震が起こって津波の恐れがあったらどうしようか?

津波は一分一秒の判断が自分の命を左右するんだ。

津波の正しい知識・行動○×クイズ!

防災博士
それでは早速、もし「今」津波が迫っている可能性がある時だと思って知識や行動を確認しよう!
Q1.津波が来るかどうかは、津波直前の特徴である「引き潮があるかどうか」で見極めればいい
×

「津波が来る前には、必ず引き潮が来る」という言い伝えがありますが、実際は全てに当てはまる訳ではありません。

過去東日本大震災では、「津波が来る前には必ず引き潮が来る」と信じていた事によって、1600人を超える死者・行方不明者を出してしまう悲惨な出来事が起きてしまいました。

実際には、津波は引き潮で始まるものと、いきなり襲ってくるものの二通りがあるという事を覚えておいてください。

Q2. 全力疾走すれば津波が見えてからでも助かる
×

津波のスピードは、水深5000mの海域では時速800kmというジェット機級の速さで伝わります。

そこから陸に近づくとだんだん速度は落ちますが、陸地に達した時点でも時速36km程度と車くらいのスピードになるので、津波を目で見てからでは、例えオリンピック選手でも逃げきることはできません。

津波のスピード

出典:「地震調査研究推進本部」加筆修正

Q3.海からより遠いところに逃げることが大切だ
×

津波は川など低いところを目指して押し寄せる、V字型の湾の奥などでは高くなりやすいなど、地形による特徴があることも知っておきましょう。

“より遠く”ではなく、“より高い”ところを目指して逃げることが大切です。

Q4.津波注意報の際は特に気をつけることはない
×

屋内にいる人に影響はありませんが、海の近くで海水浴などをしている人は危険なのですぐに海からあがってください。

小さな波でも沖に流されて帰ってこれなくなる可能性があります。

参考政府広報オンライン

防災博士
どうだったかな?

津波は、地震がおさまってひと段落ついてから一気にやって来るから、周りの意見に流されずに自分から先導を切って早く逃げることが大切だ。

津波警報と情報の共有方法

気象庁では、地震の発生に伴って津波の危険性がある場合、2通りの情報発表の方法があります。

まず、マグニチュード8を超えるような巨大地震の場合、3分後の第1報では大津波警報のときは「巨大」、津波警報のときは「高い」という簡潔な言葉で発表します。

そして、その後正確な地震の規模が分かった時点(地震発生からおよそ15分ほど)で、予想される津波の高さを5段階数値で改めて発表します。

それ以外の地震の場合は、3分後に5段階の高さ予想が発表されます。

津波警報の情報発表の流れ

出典政府広報オンライン

防災博士

つまり、地震の規模によって津波情報の報道のされかたが少し違うということだね。

「巨大な津波」または「高い津波」という表現で大津波警報や津波警報が発表された場合は、東日本大震災のような巨大津波が襲って来る可能性がある非常事態ということだ。

津波の高さが推測されたあとは、「大津波警報」「津波警報」「津波注意報」の3種類の警報を発令します。 警報は高さよって以下のように分類されています。

数値で発表する場合の津波の高さ表

出典気象庁 津波警報の改善のポイント

避難経路の確認

防災博士

津波警報の仕組みがわかっても、その警報に応じた避難の仕方や被害規模がわからないと意味がないよね。

以下にそれをまとめてみたからしっかりチェックしよう。

津波警報・注意報の分類と取るべき行動表出典政府広報オンライン

「釜石の奇跡」から学ぶ津波から生き延びる方法

防災博士

東日本大震災で津波が押し寄せた岩手県釜石市では、市内の小中学生の99.8%が津波の難を逃れたという事例がある。

当時はこれを「釜石の奇跡」と呼ばれて報道されていましたが、中学生が小学生の手を引いて避難したり、徹底した事前の防災教育の成果で避難できていたことから、奇跡ではなく、起こるべきして起こった必然として現在は語られている。

動画でもなんども繰り返されていた大切なポイントは以下の通りです。

「釜石の奇跡」からわかる三つのこと
  1. 想定にとらわれるな
  2. 最善を尽くせ
  3. 率先避難者たれ

避難の際に気をつけること

防災博士

じゃあ今度は避難の時に気をつけるポイントを軽く説明するぞ。

簡単なことだが知っていると落ち着きを取り戻せたりして、精神的にも安心することができるんだ。

車などを使わず、徒歩で避難する

津波の避難車を非推奨

津波の際、車で避難するのは危険です。

地震発生時は、「車を使って遠くに避難しよう」と考える人が多く、渋滞に巻き込まれてしまう可能性が非常に高くなります。

渋滞に巻き込まれてしまうと、津波を待つことしかできなくなります。 また、その場で車を乗り捨てると、周りの人が進めなくなり、それによって周りの命まで奪ってしまいます。

足が不自由で歩けないお年寄りや、負傷してしまって歩けない人がいる場合は、車で避難するしかありませんので、その場合は車を使いましょう。

歩いて避難できる人が車を使わず避難する事で、車で避難する人の渋滞を減らす事ができ、自分の命もそして負傷して車でしか避難ができない人の命も助かります。

警報が解除されるまで戻らない

津波の避難警報塔

津波には第一波だけではなく、第二波第三波も来ることが予想されます。

また、第一波が一番大きいというわけではなく、第二波や第三波の方が津波の規模が大きい場合もあります。

第一波が到達したから、小さかったから自宅に戻って大丈夫というわけではありません。

大津波警報・津波警報が解除されてから、自宅に戻りましょう。

津波の知識・行動まとめクイズ

防災博士
正しい知識は身についたかな?

それじゃあちゃんと理解できているか確認しよう!

Q1.「釜石の奇跡」から気をつけなければならない三つのこととは?
  1. 想定にとらわれるな
  2. 最善を尽くせ
  3. 率先避難者たれ

この三つです。つまり経験にとらわれずに、可能ならばできるだけ高く遠いところに、自分から率先して避難することが大切です。

Q2. 地震直後に、「巨大な津波がきます」という情報がテレビで発令された。あなたはどのように行動する?
即座により高いところ(高台やビル)に避難してください。ここなら安全と自分で判断しないでください。
Q3.津波が一度訪れ、警報が解除されていないが潮が引いて、自宅に戻れそうな場合はどうする?
警報が解除されていない場合は、まだ第二波や第三波が来る可能性があるので絶対に自宅などに戻らないようにしてください。
Q4.津波警報が発令されたので、高台まで逃げ切ることができたが、まだ高いところに移動できる。周りはこれ以上の人たちはこれ以上の移動は必要ないとその場に留まることを決めているがどうする?
自分から率先して移動を促してください。

また、自分1人で多くの人たちに声をかけるのが難しければ、避難を手伝ってくれそうな人に声をかけて一緒に移動する流れを作りましょう。

危険が訪れている時に、人間には正常時バイアスというものがかかり「大丈夫」と安堵しようとする脳のメカニズムをもっています。移動した後に「大げさな避難だった」と言われても構いません。できるだけ高いところに逃げましょう。

まとめ

防災博士

どうだったかな?

津波から身を守る為に一番重要な事は、とりあえずなるべく早く高いところに避難することだね。

津波が来ないだろうと楽観的に考えるのではなく、少しでも危険な可能性があるなら、すぐに対処をしよう。

明日もし大きな災害が起こったとしても、君や、君の周りの大切な人たちが助かるように

これからも私たちは正しい知識を伝えていくぞ。

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